道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

マスクの変貌効果

2020年04月06日 | 人文考察
新型コロナの恐怖は、世界中の人々にマスクの装着を促した。平時には極めて装着率の低い欧米でも、現下はほとんどの人が、外出する際にマスクを着けるようだ。

それである事に気がついた。
マスクは容貌に多大な影響を与える。マスクを付けると、目と眉と額だけが顔貌となり、その人本来の面立ちは失われる。マスクには、美容上の功罪が明らかにある。
これまで白人社会でマスクが忌避されていた事情も、たぶんこれで説明できるのではないか。

白人はマスクを付けると、容貌のチャームポイントを失う。高い鼻と感情を表す口もとが隠れ、大きく落ち窪んだ眼窩だけがより強調され、おしなべて不気味な顔立ちになる。マスクが彼ら彼女らの顔から、天与の有利性を奪うのだ。だから彼ら彼女らは、これまで風邪や花粉ごときでは、マスクを付けなかったのではあるまいか?トランプ大統領が断固マスクを付けないのも、理由はここにあるかもしれない。

その点東北アジア人は、マスクが容貌の不利をカバーするので、装着に抵抗がない。眉目秀麗という言葉は、容貌のポイントに眉と目にあることを示す。我々はもともと表情が乏しいので、目と眉を動員させて感情を表す。しかも白人と違い切れ長の目が多い。それはマスクとの合性(バランス)が好いようだ。少なくとも、不気味な顔にはならない。

覆面の切れ長の涼しい目許というと、かつての嵐寛寿郎演じた「鞍馬天狗」を想い出す(古過ぎるか?)。今なら野村萬斎の鞍馬天狗だ。大友柳太郎の「快傑黒頭巾」、山城新伍の「白馬童子」も覆面の魅力だった。女性は御高祖頭巾(おこそずきん)。眼窩が深く窪んでいないから、目許だけが強調され、目がモノを言い、それが異性を惑わせる。

凝り性の日本人は覆面にも美意識を発揮し、工夫を凝らした。盗人かぶりでさえ粋に見えた。日本人は他に抜きん出て覆面がよく似合い、男女共に男っぷり女っぷりが上がる。

彼我のこの面での差異はまだある。
西欧人の好んで用いる覆面の主流はアイマスクで、表情の多くを占める大きな眼を隠す。仮面舞踏会のマスク、快傑ゾロのマスクなど、眼を隠し鼻と口を露出する。表情・人相を隠すには、目を隠すことが最も効果的である。それは現代のサングラスにつながる。大きく窪んだ眼窩を隠すと、彼らは男女共に男っぷり女っぷりが上がる?仮面パーティは美男美女ばかりに見えるから、罷められないのだろう。

日本人は口と鼻を覆い隠すと、男女共に表情が謎めいて魅力的になる。マスクは東北アジア人に共通して好まれる。風邪・花粉マスクは、欧米人のサングラスに匹敵するほど、街中で数多く見かける。

ただし白マスクは美容的には効果が低い。衛生を意識させるからだろう。白に飽きたら黒、緑、ベージュ、迷彩色と、いろいろ試してみると好い。老いも若きも、マスクを装身具として、改めて見直してみたらいかがだろう。白でなければ、ウイルスに効果がないというものではない。





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