晴天と暖かさに誘われ、浜松市西区舘山寺町の「はままつフラワーパーク」へ行ってみた。自宅から車で30分の近さにある。この前最後に訪れたのは、15年ほども前だったろうか?
この園は、1970年の開園だから、かれこれ53年もの歴史がある。それなのに、数えるほどしか訪れていない。自然の山川で遊ぶに忙しかった時代と重なるからだろう。
山野跋渉は不可能と見切りをつけた70歳ごろからは、市街地歩きに転じ、それなりに楽しんでいた。
市内だけでは物足らず、他の都府県の街にまで出張り始めたその矢先、行動を共にして来た無二の友人を病で失った。
ひとり旅に馴れはじめたその矢先、コロナが蔓延し、公共交通機関も宿も利用できなくなった。
漸くコロナも下火になった昨今、マスクの着用は本人次第との、御触れとも黙認ともつかない妙な政府の見解がメディアを通じて流されている。
齢80を前に、危険無く楽しめる歩行の場を妻と相談し、「はままつフラワーパーク」をウォーキングの場に選んだ。
三方原台地が浜名湖に沈む谷地地形を活かした30万㎡の園内は、高低差30mを超えない谷と尾根とが錯綜し、申し分のない植栽環境を提供している。比較的階段の少ない園路設計は安全にアップダウンを楽しめる。舗装のない小径のバイパスもあって、自然林の雰囲気も味わうことができる。
まず迎えてくれたのは、ウェルカムガーデンの展示物。樹齢150年と推定されるハイビャクシン(這柏槇)の大物盆栽。今や盆栽は国際的に人気が高く、世界中で愛好家・栽培家が増えているらしいから、海外からの来園者は悦ぶだろう。
続いて花博の時に登場し、以来各地に普及しているモザイカルチャー。足を止め、写真を撮っている人が多い。
クリスタルパレスという名の大温室には、熱帯や亜熱帯そして乾燥地の珍しい植物が沢山植栽されていたが、名前が憶えられないから、アッサリと通り抜けた。
フラワーパークというところは、見ず知らずの珍しい植物を多く植栽展示しているところなので、園内でたまたま野草のツクシやタンポポを見ると、近所の親しい人に会ったように懐かしく、ついカメラを向けてしまう。
急勾配の傾斜地には、スロープカーという名のモノレールが設備されていた。シニアカー・車椅子の配備もあり、老人や障害のある人への配慮が尽くされている。
この急傾斜地で、久しぶりにミツマタを見た。木は陽当たりの好い尾根で健康に育ち、花が大きく花数も多く申し分ないのだが・・・
かつて北遠の山村でも、手漉き紙の原料にするため杉林の谷地にミツマタを植栽していた。中国原産の薄黄色のこの花が、無数の泡のように仄暗い谷間を埋め尽くす幻想的な光景に息を呑んだ記憶がある。ミツマタは仄暗い谷間で咲いてこそ、幽玄の美しさを発揮するように思う。
早咲き品種の桜と園内の桜との交配種が咲き始めていた。
ミヤマツツジも咲き始め。
ボケの花だろうか?
ユキヤナギ
ハクモクレン
今の時期は黄色いスイセンが辺りを圧倒し、カメラマンを引き寄せていた。
ツバキだろうか?
鉢の寄せ植えに使われている花の名は、ひとつも知らない。園芸種に疎いことを露呈した。
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