昨年の今頃は、3月11日に東北で起きた文字どおり驚天動地の地震・津波災害と、それによって惹起された福島原発事故の報道に目を奪われ、とても花見に行く気分になれなかった。
今年は事の収束にはほど遠いものの、世の中多少の落ち着きを見せてきたので、花を観賞する余裕を取り戻し、家に近い川べりに目下満開のサクラを観に行った。
ところが、以前から気になっていた花の色の淡さ、一段と顕著になっていて、並木の花全体が白っぽく見える。花弁を手に取って確かめたが、やはり本来の桜色でなく限りなく白に近い。此処のサクラ並木だけの現象なのかとも思うが、他の場所のサクラもひと昔前よりはピンク色が薄いように感じる。
思い当たる原因はふたつ。ひとつはサクラの樹齢が古いこと。ソメイヨシノの寿命は60年ぐらいと聞いているが、此処のは50年は経過しているだろう。もうひとつの原因は、当ブログで以前に触れたことのある酸性雨による花の傷み?ふたつが複合しているかもしれない。
気象庁は、日本上空の大気中の酸性物質などのデータをとっている筈だが、これを日常一般に公表していない。昨年の原発事故後、海外の気象機関でさえ毎日公開していた放射能の拡散予想を、当事国でありながら分かりやすい形で自国民に伝えなかったことと同じ意図を感じる。自然環境の保全を目的とする環境省は、酸性雨をどう見ていてどのような施策をしているのだろう?http://www.env.go.jp/air/acidrain/acidrain.html
オゾン層破壊と地球温暖化の問題解決が世界の懸案となって以来、酸性雨問題は影が薄れ人々の関心は遠のいている。皆が気にしなくなったからと云って、その化学的作用が減少するわけでもない。密かにじわじわと、植物から動物へ影響が及んでいなければよいが・・・・・。
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