掛川市横須賀の三熊野神社大祭を見物に行った。祢里と呼ばれる山車が、古い町家の建ち並ぶ旧道を行き交う。
家々は正面を紅白の幔幕で飾り、戸口を開け放している。仕事で都会に出ている家族や親戚がこの日寄り集い、一家眷属を挙げて祭りを楽しんでいるのだろう。邸内から賑やかな笑い声が表通りまで聞こえてくる。
歴史的には江戸享保に遡るこの祭りの見どころは、祢里の正面で面を着けた踊り手の滑稽な手振り身振りの面白さと、江戸時代から受け継がれてきたお囃子。祢里の曳き手達の法被姿には、垢抜けた江戸の風情が漂う。特に白足袋はだしの足もとが粋である。
見物には、祢里に灯りが点る夜が好適なのだが、この日は気温が2月並に下がったうえに強風が吹き荒び、寒くて堪らず午後4時頃で引き揚げた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます