ほぼ1年ぶりに伊那・木曽境界にある南沢山(ミナサワヤマ1564m)に登った。
南をミナと発音するのは博物学者の南方熊楠(ミナカタクマクス)の読み方でしか知らないが、ミナミサワヤマと読むのより響きが佳いと思う。
この山は信州南部の山のなかでは比較的積雪が多い方で、昨年はスノーシューを履いて登った。今回は暖冬で雪も少なかろうと高を括り、敢えて持参を控えた。
案に相違して積雪は尾根上で1mを超え、しかも春の暖気と前日の豪雨で雪面下の至るところが空洞化、10歩歩くうち2、3歩を膝上まで踏み抜く始末。ツボ足歩行は予想より難渋した。
漸く山頂に着いて南を見ると、横川山から富士見台にかけて、疎らに針葉樹を配した白銀の尾根が続き、その向こうに、恵那山が象の背のような頂部を覗かせている。振り向けば、中央アルプス南部の白い峰々。遠く東に連なる南アルプスの稜線は、さながら北に昇る白龍の背の様・・・
昼食を摂りながら心ゆくまで展望を楽しんだあと、往路と変わらぬ重い足どりで、車に辿り着いた。
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