てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

2006年のケアンズ紀行(その1) 熱帯雨林のご挨拶

2021-03-10 21:54:20 | 昔話・思い出

<はじめに>
 7回の海外出張に関わる投稿を実施している時に、半年間入院中だった義父がなくなりました。
入院中はコロナ禍のため、前半は面会謝絶、後半はZOOMによる予約制短時間の間接的な対話しかできませんでした。通常の時期だったらもっといろいろなことができたのにと残念でなりません。
 葬式のための写真を調べていると、義父母、私たち夫婦と子供で2006年に行った最後の海外旅行、オーストラリアーケアンズの写真が出てきました。その頃は別のSNSに参加していて記事を書きましたが、そこは既に閉鎖されています。
 そこで義父を偲んで、その時書いた記事を一部改訂して、改めてここに掲載することとします。

 その時は、下記のようなスケジュールで動きました。
   1日:ケアンズ市内観光
   2日:キュランダ観光
   3日:夜行性動物観察ツアー
   4日:ポートダグラス等観光

 この中で、私たちは下記に出会いました。
  ・熱帯雨林
  ・オーストラリアに住んでいる人たち
  ・オーストラリアの動物たち
  ・星空
 それぞれの出会いを書いていきます。


 
まず熱帯雨林と家族それぞれのご挨拶です。森にはたっぷりの水がありました。

その1 熱帯雨林のご挨拶

1.森の上にて    

高所恐怖症の義父が、こんなに高いスカイレールの上で とても柔らかな表情をしている。

眼下にブロッコリーのような緑が一面に広がり、スポンジみたいで落ちても大丈夫と思ったのかもしれない。

そのとき丸いゴンドラは、ゆっくりとふんわりと着地し、ふゎっふゎっと弾む。

その気だるい振動に、私たちも丸くなってみどり児の眠りにつく。


聴こえてくるのは、やさしい風の音だけ。



<ケアンズとキュランダ高原を結ぶロープウェイ(スカイレール)>



<キュランダ高原から流れ落ちる滝>




2.森に分け入る  

森を進撃するアーミーダックの上でも、遊歩道でも、子供はとっても大騒ぎ。

 「ほらっ 七面鳥、あれ撮って。」

 「あ、大きなトカゲ、あそこあそこ。」

 「あそこに、蟻塚だ。」

 「上の方に、着生植物だよ、あの大きいの。」

 「あれあれ、そこにねずみみたいのが走っていく、
        パパ もうカメラ構えるの遅いんだから」

そんなに動き回ると、ちょっと待っての蔓に引っかかっちゃうよ、
ハートの痛い葉も教えてもらったでしょ。

おおきな羊歯の木、締め殺しの木、いろんなものがあってよかったね。

そして君だけが、森でユリシスを見つけることが出来たんだものね。



<森の中を行く水陸両用車(アーミーダック)、道よりも水路の方が多い。>



<閉め殺しの樹、つる植物で大きな木に巻き付きついには巻き付いた木を枯らす>



<熱帯雨林の中、つる植物がぎっしり。この中に有毒の植物が混ざっている>




3.-川は流れる  

世界でもっともきれいな雨水を集めて、モスマン渓谷に川は流れる。

一回深呼吸すると一年寿命が伸びると言う空気を充分に吸った義母は、森の小道を軽やかに抜け、うねりながら揺れるつり橋をすたすたと渡った。

そして聖域の中、木々の注視を浴びながら水浴している白人たちを、うらやましそうに眺めた。

20歳若ければ、膝まで水に入り、自然のエキスを吸い上げる。もっと若ければ私だって・・・・・・・

木漏れ日が、彼女にスポットライトを当てた。



<モスマン渓谷で水浴びをする人、本来ならアボリジニの聖域のはず>



<渓谷に流れ込む川>




4.森の風

太古からの森の息吹を蓄えて、風が舞っている。

その濃密な自然は、そこにいる人の心なんてスープのように溶かし込んでしまう。

  よかったね・・・・・・・

  うん、よかったね・・・・・・

あぁ ここではこんなに楽に、言葉の要らない対話が出来るのだね。

配偶者が ウィンクする音が聞こえた。



<原始林の中の湖のほとり。渡り鳥ものんびり休息>



<雲と対話している木、雲を吐き出しているのかも・・・>


コメント
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