<プログラム 表紙>
コンサート名: 30周年記念コンサート
アカペラ男性合唱団 名古屋ゴールデンエイジ・メイルクワイヤー
ー われらは愉快な老人合唱団 ー
日時: 2024年6月2日 13時45分~
場所: 名古屋伏見・電気文化会館
私の友人が、最近高齢者の合唱団に入って、なにか元気を取り戻しつつあった。
その合唱団が、コンサートを実施するので聞きに来てほしいということで参加することとした。その前日、中日新聞がかなり大きな記事で、平均年齢84歳、最高齢93歳の元気な合唱団、荒木とよひささん(四季の歌の作詞・作曲者)から「大和よ永遠に」という戦争鎮魂の新曲をいただいて披露する、チケット完売(400座席弱)と紹介したので、とても期待が高まった。
彼からのお話では、30年前に仕事をリタイヤした人が始め、
会場に入ってみると確かにほぼ満員。
客層は、80歳の同世代から20歳代の若い人までとてもバラエティに富んでいる。いわば団員の同世代から孫世代。あまりコンサートには来ない人が多いようで、予鈴がなってもややざわざわとしていた。
演奏会構成は以下の通り
第Ⅰ部 愛唱曲 10曲
早春賦 夕焼け小焼け Ave Maria など
第Ⅱ部 後藤千秋オリジナル曲 6曲
まんさくの花 ほたる わしらは愉快な老人合唱団 など
第Ⅲ部 会場の皆さんと一緒 6曲
特別企画 「大和よ永遠に・・・惜春」 作詞・作曲 荒木とよひさ
第Ⅳ部 日本の民謡・世界の民謡 8曲
コキリコ節、ダニーボーイ、ボルガの舟歌、阿里山的姑娘、ソーラン節 など
驚いたのは、第Ⅰ部だけでも10曲もある。パンフでは指揮者も合わせて20名だったが、でてきたのは確か19名。多分1人残念な人がいた。歌う人の中には折りたたみ椅子を持ってきた人もいた。
歌いだした。1パート5人くらい。ちゃんとしたハーモニーは考えないことにしよう。でも皆元気で、声がでている。とても84歳が平均とは思えない。
特にそれぞれがソロで歌いだした時、自信にあふれた声がでている。90歳前後の人の声が、年齢を考えると恐ろしいぐらい元気。指揮者の方が非常にうまくきちっと出だしを揃えている。ハーモニーも狙った所は指揮者が頑張ってハモらせようとしている
なによりも体力がすごい。Ⅲ部をのぞくと出ずっぱりだが、準備した椅子を使ったのは2名のみで、ずっと立っていた。そして喉もちゃんと続いた。なお座ったうちの1名は身体障碍者だった。
アジア各国との交流による海外公演もやっているとのことだったが、それなりのレベルだった。そしてこういった背景とレベルを持つ合唱団ならば、荒木とよひさ氏、後藤千秋氏がオリジナル曲を提供するのは当然だとおもった。
なお特別企画の「大和よ永遠に・・・惜春」については、熱演だった。90歳ならば少しは戦争の記憶があるし、そうでなくても戦争を経験した周辺の人の記憶がなまなましい状態を履歴している。それが迫力を生み出しているのではと思った。
終わり方がユニークで、通常は演奏者が退場して何度もアンコールで呼びだそうとするが、今回は逆に演奏者がステージに残って、聴衆がでていくまで何度も歌い続けるという方式だった。これには嬉しくなった。
今回のコンサートは心があたたまり、また今後の老後生活に勇気づけられた。演奏者側も今までなら海外招待演奏やボランティア、また国内の招待演奏もあったのがコロナでぷつんと途絶え、そのエネルギーをやっと吐き出す形の演奏会だったのだろう。
ネットで高齢の合唱団を調べてみると、それなりに日本各地に点在しているのがわかった。合唱を通じて元気になっている人がこんなにいるのだと思った。
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