日時 : 2018.12.13 18:45~21:00
場所 : 愛知芸術文化センター コンサートホール
プログラム
・モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
・モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番「トルコ風」
・シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレイト」
指揮者:パーヴォ・ヤルヴィ
オーケストラ:ドイツ・カンマーフィール管弦楽団
ソリスト:ヒラリー・ハーン
惹句:
日本で抜群の人気と知名度を誇る世界一流の指揮者、パーヴォ・ヤルヴィがニュアンスに富んだデリケートな表現でドイツ・カンマ―フィルを鳴らす。ヴァイオリンは圧倒的な演奏技術、豊かなレパートリー、幅広い解釈を誇る世界のトップ・ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーン。
非常に価値の高い組み合わせで聴ける公演。
久しぶりの演奏会。ヒラリー・ハーンにお会いしたくて夏の前から、プログラム関係なしに切符を買っていた。そして樫本大進のまもなくのコンサートとプログラムを取り違えていて、座席に座り案内を見て初めて、この日のプログラムを知ったという情けなさ。そしてそのプログラム、出演者の説明だけで、演奏曲名と各パート演奏者名しか書かれていないという代物。聴くのは玄人さんでしょっていう感じ。
コンサートホールも改装後始めて。天井の雰囲気がかなりすっきりした感じ。
今回も席は舞台後ろ。それもソリストが入場する逆側。ハーンさんが入場するとき、指揮者やオケを見る時に顔を見ることができる場所をとった。そしてそれは見事に正解。
1.歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
今回の演奏会で、これまでに聴いているのはこれくらい。まず楽団員が入場。今日は室内楽の小編成だから、ベースが第一バイオリンの後ろにいる。そして本来の位置、すなわち私たちの前にはティンパニがいる。そして大型の金管は通常の編成では座席の絶壁の下で見えないが、今回はギリギリ見ることができる。
楽団員はスラっとした美男美女が多い。さすがブレーメンの音楽隊。そしてとてもフレンドリーな雰囲気。
音合わせなしに、NHKでよく見るヤルヴィさんが出てきて曲が始まった。ヤルヴィさんはスイスイと振って、オケは滑らかに曲を奏でる。楽団員は音を出す喜びにあふれているよう。
2.ヴァイオリン協奏曲 第5番「トルコ風」
オケの編成がより少人数となった。そして今度はちゃんと音合わせ。それからハーンさんとヤルヴィさん入場。
憧れのハーンさんは、想像していたよりもがっちりとした人だった。彼女に比べると日本人のバイオリニストは子供体形。でも確かに美人。
曲が始まると、ハーンさんは微笑んで先ず右の第一バイオリン、その後左の残り全体を見渡した。オケもそれに答えるかのように弾いている。とても相性はよさそう。
この曲は3楽章あるが、そのどれにも長いカデンツァがある。そこに来ると本当に華やかに、軽やかにハーンさんのメロディが走り出す。私たちからよく見える第一バイオリンやベースのオケの人達は、自分たちの宝のようにハーンさんを見守っている。そして逆にオケのみが走るときは、ハーンさんがにこやかに見まわしている。この席は本当によく表情が見える。
ハーンさんのバイオリンはとても伸びやかに見事でここちよい。トルコ行進曲みたいな所もあり、なるほどトルコ風。
いいなあと聴き惚れて終わった。でも以前の五嶋みどりさんの時のように、弾き始める時に「さあどんな音が始まるのか」という、固唾を飲むような緊張感があってもいいなと思った。
3.シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレイト」
この曲はかなり長い曲。ヤルヴィさんの指揮に注目していたが、とても柔らかで堅実。そして確かに拍を叩いた後に、先日川瀬さんが言ったように音を「おいでおいで」と引っ張っている。オケも思いっきり弾いていてアンサンブルはとてもいい。 だいたい金管がテーマを吹いてオケ全体が追っかけることが多かったが、金管はとても安定していた。この曲も素敵な指揮者の下で、楽しく一生懸命に奏でているのはわかる。安心して聴けるし所々にキラキラした音がでてくる。
でもやっぱりボリュームがない。小編成だからだろうか。
サロネンのフィルハーモニアやニューヨークフィルは、曲の素晴らしさとともに、これが俺たちのオーケストラだと迫ってくる迫力があった。
惹句に「ニュアンスに富んだデリケートな表現」とあったが、心地良さから多分きっとそうなんだろうなって思う。でもその表現を多分聴き取る十分な耳や知識を持っていないんだと思った。今後もっと演奏会をたくさん聴いてから、再度聴いてみたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます