訪問日:2015年10月29日
ダラス美術館の入口(なお私の行った時は工事中で、彫刻は移動)
ダラスに行った時、1日予備日があったので、先日のThe Six Floor Museum、今回のダラス美術館、そして後日示すペロー自然科学博物館をまとめて回った。最も大きく時間をかけたのが、この美術館である。
この美術館は1903年設立で、第2次世界大戦以降急速にコレクションが増加しているようである。非常に大きな建物にたくさんのコレクションを並べている。全世界の文明発祥からの一そろいのコレクションを持っているが、特に古代アメリカ、そして現代の生活につながるデザインや装飾品の展示、それから現代美術に力を入れていると思った。
1.展示について
以下に印象に残っていることについて記載する。
1.1 1階の廊下
建物は非常に横に長い構造で、1階にそれをほぼまっすぐ貫く廊下がある。その中央に大理石のマリア像があり、そこだけ外光が取り入れられている。とても神聖な感じがした。
1階廊下の見晴らし 置かれていたマリアの像
1.2 印象派とその前後
日本の西洋美術館にある松方コレクションと似た絵や作家がたくさんあり、もしかすると競争して、蒐集していたのかなとおもった。以下にコローとクールベの絵を示すが、後期印象派まで著名人のものがちゃんとそろっている。
コロー (日本にもよくある 樹々と人の絵) クールベの狐の絵 (西洋美術館の絵に似ている)
ゴッホの作品
1.3 現代美術への流れ
こちらは非常に充実している。確立したヘンリー・ムーアやジャコメッテイから、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコときて、あまり知らない人の作品が並んでいるが、なかなか面白い。今後現代作家の評価が確立すれば、一気に著名美術館になる可能性がある。
ヘンリー・ムーア作品 ジャコメッテイ作品
ジャクソン・ポロック作品 Cathedral
1.4 デザインや装飾品の展示
ここの展示で面白かったのは、ヨーロッパのいろんな時代の贅沢なベッドルームやリビング、キッチンをそのまま展示していることである。アメリカ人の憧れを感じる。向こうの城の中を見る感じ。
ベッドルーム リビング
またモントリオール美術館と同様に、ここでも椅子や生活用品の展示をしている。
1.5 各地のマスクやファッションの展示
下図は、この美術館の看板でもある古代メキシコのマスク。
古代メキシコの黄金のマスク
その他 地域でごちゃごちゃになってしまったがいろんな面白いマスクが展示されている。アフリカ、オセアニア、インディアンなど。またファッションの展示もある。これは後に記載する。この作品群と現代美術は、同じようにも見える。
1.6 日本の展示
日本の展示は広いエリアをもらって、大きな屏風などかなり充実していた。その中から神話時代の彫刻と、源義経と名のついた彫刻。
武内宿祢に関わる場面 源義経の像
2.全体を見ての感想
ダラスには多分石油成金がたくさんいて、その寄付を利用して近年作品をどんどん集めているのだなと思った。それもヨーロッパなどが強いクラシックなものではなく、アフリカ、オセアニアなどのプリミティブな作品、そして現代作品で競争しようとしている。
それとともに面白いと思ったのは、こういった美術品群を現在のデザインに役立たせようとする姿勢。向こうに行った時に美術館の説明で、色やパターン、素材などで作品を整理することが述べられ、例として古代、プリミティブ、現代美術の色の使い方の比較などが示されていた。それにデザインの歴史を示すような展示があるからなるほどと思う。
すなわち芸術を見て「フーンなるほど」で終わるのではなく、現在のコマーシャリズムの参考にするための場として、役に立つ美術館の存在を主張している。これを書くにあたってこの美術館のホームページを見たら、コレクションの紹介でその方針が徹底されていた。
ダラス美術館の入口(なお私の行った時は工事中で、彫刻は移動)
ダラスに行った時、1日予備日があったので、先日のThe Six Floor Museum、今回のダラス美術館、そして後日示すペロー自然科学博物館をまとめて回った。最も大きく時間をかけたのが、この美術館である。
この美術館は1903年設立で、第2次世界大戦以降急速にコレクションが増加しているようである。非常に大きな建物にたくさんのコレクションを並べている。全世界の文明発祥からの一そろいのコレクションを持っているが、特に古代アメリカ、そして現代の生活につながるデザインや装飾品の展示、それから現代美術に力を入れていると思った。
1.展示について
以下に印象に残っていることについて記載する。
1.1 1階の廊下
建物は非常に横に長い構造で、1階にそれをほぼまっすぐ貫く廊下がある。その中央に大理石のマリア像があり、そこだけ外光が取り入れられている。とても神聖な感じがした。
1階廊下の見晴らし 置かれていたマリアの像
1.2 印象派とその前後
日本の西洋美術館にある松方コレクションと似た絵や作家がたくさんあり、もしかすると競争して、蒐集していたのかなとおもった。以下にコローとクールベの絵を示すが、後期印象派まで著名人のものがちゃんとそろっている。
コロー (日本にもよくある 樹々と人の絵) クールベの狐の絵 (西洋美術館の絵に似ている)
ゴッホの作品
1.3 現代美術への流れ
こちらは非常に充実している。確立したヘンリー・ムーアやジャコメッテイから、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコときて、あまり知らない人の作品が並んでいるが、なかなか面白い。今後現代作家の評価が確立すれば、一気に著名美術館になる可能性がある。
ヘンリー・ムーア作品 ジャコメッテイ作品
ジャクソン・ポロック作品 Cathedral
1.4 デザインや装飾品の展示
ここの展示で面白かったのは、ヨーロッパのいろんな時代の贅沢なベッドルームやリビング、キッチンをそのまま展示していることである。アメリカ人の憧れを感じる。向こうの城の中を見る感じ。
ベッドルーム リビング
またモントリオール美術館と同様に、ここでも椅子や生活用品の展示をしている。
1.5 各地のマスクやファッションの展示
下図は、この美術館の看板でもある古代メキシコのマスク。
古代メキシコの黄金のマスク
その他 地域でごちゃごちゃになってしまったがいろんな面白いマスクが展示されている。アフリカ、オセアニア、インディアンなど。またファッションの展示もある。これは後に記載する。この作品群と現代美術は、同じようにも見える。
1.6 日本の展示
日本の展示は広いエリアをもらって、大きな屏風などかなり充実していた。その中から神話時代の彫刻と、源義経と名のついた彫刻。
武内宿祢に関わる場面 源義経の像
2.全体を見ての感想
ダラスには多分石油成金がたくさんいて、その寄付を利用して近年作品をどんどん集めているのだなと思った。それもヨーロッパなどが強いクラシックなものではなく、アフリカ、オセアニアなどのプリミティブな作品、そして現代作品で競争しようとしている。
それとともに面白いと思ったのは、こういった美術品群を現在のデザインに役立たせようとする姿勢。向こうに行った時に美術館の説明で、色やパターン、素材などで作品を整理することが述べられ、例として古代、プリミティブ、現代美術の色の使い方の比較などが示されていた。それにデザインの歴史を示すような展示があるからなるほどと思う。
すなわち芸術を見て「フーンなるほど」で終わるのではなく、現在のコマーシャリズムの参考にするための場として、役に立つ美術館の存在を主張している。これを書くにあたってこの美術館のホームページを見たら、コレクションの紹介でその方針が徹底されていた。
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