てんちゃんのビックリ箱

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田中祐子さん指揮の名フィル

2017-08-14 08:57:03 | 音楽会

・第6回地共済 ファミリーコンサート
 ・開催日:2017年8月12日 午後
 ・場所:刈谷市総合文化センター アイリス大ホール
 ・プログラム
  1.モーツアルト:歌劇「魔笛」序曲
  2.リスト:ピアノ協奏曲第1番
  3.バルトーク:ルーマニア民族舞曲
  4.ベートーベン:交響曲第5番「運命」
  アンコール:ハイドン:弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 作品33-2,Hob.II
   I-38『冗談』より第4楽章「フィナーレ:プレスト」
 ・指揮:田中 祐子
 ・ピアノ:田村 響
 ・オーケストラ:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 配偶者の関係から、上記のクローズドの名フィルの演奏会のチケットを入手した。指揮の田中祐子さんに興味があったので、少し遠いのと前夜仕事があったけれども出かけることにした。

 ファミリーコンサートと名がつくだけあって、1/3くらいがたぶん中学生もしくはそれ以下であった。(一応学童以下は、不許可)
 それに対して、なかなか充実したプログラム。通常はこういった客層ならもっと子供向けにするのに。

 開演のベルがなり、名フィル登場。びっくりするぐらい女性が多い。第1/第2バイオリンがほとんど女性だから、全体でも女性は2/3近い。指揮者が女性だからかな。席は前から数列目の第1バイオリン側。

 そして田中祐子さんが颯爽と登場。プログラムの理由を述べる。第5回までは、子供を意識したプログラムだったとのことだが、彼女が指揮するにあたって、本格的だがポピュラーで子供にも雰囲気がわかりやすいだろうと考える曲にしたとのこと。
 今回の田中さんは、指揮の前、時には指揮の後に解説をやるから大変。ともかく指揮者が出てきて指揮台にさっと乗って振り出すのではなく、まずマイクを持って曲の説明や聴き所を話し出すというのは、違和感があったけれど面白かった。

 そして「魔笛」。ずっと前の記憶のように管がばらついているなと思いつつ、ザラストロのテーマを聴きながら、不覚にも寝てしまった。気づいたのはほぼ終わり。
 配偶者が、ザラストロのテーマは使い方がダースベーダーのテーマみたいで面白いとか、夜の女王の派手なところの田中さんの指揮がよかったとか話してくれるのを、気まずく聞くだけだった。

 続いて田村響さんがピアノとともに搭乗。頭をブロンドのシックな色に染めている。ピアノは本当に眼の前。田中さんの指揮はピアノの後ろでほとんど見えない。
 曲が始まって、田村さんのテクニックはすごいと思った。ともかく目の前だからメロディを出すための手の動きが非常によくわかる。そしてほとんど同じ動きだけれども、音の色合いが大きく変わることもわかる。まだちょっと危なくて気持ちのいいフレーズでは眼をつむりそうだったが、そうなるとフォルテッシモ、そして鮮やかなキラキラ音が押し寄せてきた。そして、この曲に関しては名フィルもいい演奏だった。

続いてバルトーク。休みを挟んでいるので眼はパッチリ。この曲は本当に面白い曲だった。それとともに指揮者の田中さんのダンスが素晴らしく、本当に花がある。時々宝塚の男役の決めポーズが出てくる。小さい人なのに身体が大きく見える。
 広上淳一氏に師事しているそうだが、もっと攻撃的。音よこいこいっていう感じで、引き出すのではなく引きずりだすように、髪を振り乱して指揮をする。そして名フィルもそれに答えていい音を出している。特にバイオリンや管楽器のソロが途中にはまるが、それが完璧。
 そして 今回第1側にいてよかったのは、こちらに完全に半身を回して指揮することが多かったこと。生き生きした彼女の表情がよくわかる。この演奏には感動し、また彼女を見たいと思った。(広上さんの影響もすごいと思った。)

 そして最後のベートーベンの運命。彼女は第1楽章が有名すぎるが、第2楽章のなじんだ街をのんびりと散歩する感じ、第3楽章と第4楽章は連続して演奏されるが、その変わり目の緊張感などを味わってほしいといった解説を行った。
 演奏開始。田中さんはバルトークより指揮は抑えめだったが、メジャーな曲だけに名フィルがノリノリ。特にチェロの最前列のおじさんはこれまでも身体の動きが大きかったが、この曲では背中でみんなを引っ張る様に大きく身体を揺らす。本当に派手な第1楽章となった。
 第2楽章の散歩の感じというのはなるほどと思った。歩いていていろんな風景を楽しむ感じ、時々歩く速度が変わり早くなったり遅くなったり。
 そして第3楽章から4楽章。第3楽章は落ち着いたしっかりした音からやや暗い音で終わる。そして第4楽章は吹き上がる様に煌びやかな音が広がる。特に管楽器が大活躍。そして盛り上がってはまだまだという繰り返しで、それこそ弦の低音部隊が髪振り乱して大丈夫かっていう感じで上り詰めて、やっとドカーンと終わる。とても面白い。確かに今までは第1楽章だけで満足してきた。

 田中さん舞台の袖へと3度往復。その後アンコールのハイドンについて説明を始めたが、あれだけ動き回ったのに全然息が乱れていない。体力もたいしたもの。彼女が変わった曲ですよって始まった弦楽4重奏。見事に注文に嵌ってしまった。 一回完全に曲が終わって、指揮棒を下げた。わっと拍手が起こったらそれから演奏再開し3小節ほど演奏。田中さんが振り返って楽団員とともにニヤッ。

 私は1曲目✖だったが、そのほかのプログラムそれぞれに特色があり、確かに子供もアクセントがあって楽しめたのではないか。
 また名フィルがこんなに情熱的な演奏をするとは思わなかった。今度は定演に行ってもいいねと、配偶者と話し合った。帰りには、団員も同じ電車となりぐんと親しみがわいた。

写真は、1枚目が田中さんと田村さん。
2枚目が リハーサル風景。 (名フィルのツイッターより 引用)




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