10月窯出し作品は、私たちのクラブの外部への展示作品となる。
2年目の人は電動ロクロを用いて作ってもいいが、私はタタラ作りで花生けおよび器を作ることとした。それぞれ1個ずつ作るつもりだったが、粘土が余ったので、器を2つ作った。
1 タタラ作りの4角断面花生
去年の5角形の花生の敗者復活戦。去年の5角形の花生は厚みが薄く、組み立てる際に柔らかくて大変だった。また下側に対して上を小さくしたので、使用時に水を入れて持とうとしたら、横面を挟んで持っただけでは上に滑って落としそうになった。そこで今回は全体を下から上にすぼめるが、途中で反り返して上を拡げるようにした。
土は形に切った後、一週間そのまま置いて土を少し固くしてから組み立てることとした。組立中は面が曲面になってそのまま置けないので、残った粘土を利用して静置するための治具を作った。それでも組立には苦労した。
釉薬は、天目を下地として、相対する側面の辺の一方を白マット、もう一方を鉄赤結晶で下から上へ三角に見えるようにつけた。前者の白を雪山、後者の赤を火山の連山として、残りの辺に白い〇を描き、山の間に満月があるイメージのものを描いた。山の頂上は下から辺の3/4として上部は真っ黒とするつもりだった。でも釉薬に漬けるのに失敗し、一番上まで浸かってしまった。
出来た作品の写真を次に示す。
想定通り下から上に向かって一度断面が小さくなり、その後すこし大きくなる形は出来た。しかし4面の寸法がややずれていたのと、組立の不手際によってややいびつになった。
<全体 白い月を挟んで赤い山と白い山>
<赤い山側> <白い山側>
白マットを重ねたほうの白と黒の領域の混ざり具合は想定通りでもう少し白くてもいい。。しかし赤鉄結晶を重ねたほうがそれほど赤くない。下地の天目の浸漬時間をもっと短くすべきだった。また満月が失敗。位置を辺の中央でなくもっとどちらかに移動すれば、どこから見ても月がほぼひとつに見えた。
全体としては、側面の曲面状況や色の配置としては頑張った結果が出ていると思う。
2 タタラ作りの器(その1)
7月窯出しの御深井釉の器の結果から、今度は細かいパターンを作ること、化粧土を使ってみること、そしてシブズケ(御深井釉の場合は細かい割れ(貫入)が入るがそれに色をつける)をしてみることを狙った。
7mm厚さのタタラを作った後ランチョンマットで模様を付けたが、細かい模様のために所々破綻したので、そこに星模様を付けた。アルミボウルで成形し足を付けた後に素焼きをした。
模様の部分に青の化粧土を付け、乾燥後星の部分に黄色の化粧土を付ける。その後全体に御深井釉を載せる。その後のシブズケは教官にお願いした。
できた結果を下に示す。器(星空)と名づけるつもりだったが、黄色の星が見えない。一部黄色っぽい所は下の陶器の地に近い。青土は一応それなりに模様に入っているが、全体として濃度が不均一である。模様のへこみに土を入れるやり方は、まず全体に土を塗って、その後表面を拭いて、へこんでいる部分の土のみをのこすというやり方だが、その拭き方が難しい。
<表側>
<表側の文様の拡大>
<裏面側>
<裏面側の拡大 貫入(釉の割れに色が入っている)>
模様付けはほぼうまくいったと考える。寧ろその模様をどう扱うかで今後検討する。青の化粧土による色付けはあまりうまくいかなかった。寧ろ7月のものと同様に緑の織部を使ったほうが良かったかもしれない。
黄色の化粧土を塗ったところが色がなかったり素地が出たのは、化粧土を塗った後ちゃんと乾燥をしなかったからと、周辺から指摘が出た。少し水があると焼くとき水が爆発するのだそうだ。
シブズケは、表側は目立たなかったが、裏面側はきれいに出ていた。表側のような細かい模様に対しては目立たないが、広い艶のある状況を作って、もう一度トライしたい。
3 タタラ作りの器(その2)
粘土が余ったので、少し小ぶりの器を作った。表にはやはりランチョンマットで大ぶりの葉の文様がついているもの、裏面側には小さな楕円粒の文様のものを選び転写した。表の転写はとても良好だった。なおこちらは足のつけ場所を失敗し、慌てて付け直したため後ろに傷が出来た。
全体を黄瀬戸釉に漬け、その後に表の葉の形に合わせて、赤鉄結晶、織部、白マットを重ねた。それぞれ赤い落葉、新しい緑の落葉、古い漂白された落葉のイメージだった。黄瀬戸の場合、釉が標準より薄い部分、厚い部分がともに黄色から茶色に変色するので、葉の形がきれいに出ることを期待した。
その結果が下記である。
<表側>
<裏側>
表の文様はきれいに出た。白マットは薄くなってしまったが、赤鉄結晶による赤い枯れ葉、織部による新しい緑の落ち葉の雰囲気はよく出ている。
後ろの楕円粒の文様は出ている場所はうまく出ているが、足の付け場所をずらしたので、その荒れが出てしまった。
4終わりに
展示は、1と3を出した。
1については、形状がユニークなのと2つの重ね釉のアイデアは面白いが、やはり全体の歪が惜しいとの評価だった。
3については、展示位置が手を延ばせる位置ではなかったので、後ろの失敗に気付かずに、表の色の良さを褒めてくれた。
この評価等を参考に、年明けの展示会への作品作りを始めた。
2年目の人は電動ロクロを用いて作ってもいいが、私はタタラ作りで花生けおよび器を作ることとした。それぞれ1個ずつ作るつもりだったが、粘土が余ったので、器を2つ作った。
1 タタラ作りの4角断面花生
去年の5角形の花生の敗者復活戦。去年の5角形の花生は厚みが薄く、組み立てる際に柔らかくて大変だった。また下側に対して上を小さくしたので、使用時に水を入れて持とうとしたら、横面を挟んで持っただけでは上に滑って落としそうになった。そこで今回は全体を下から上にすぼめるが、途中で反り返して上を拡げるようにした。
土は形に切った後、一週間そのまま置いて土を少し固くしてから組み立てることとした。組立中は面が曲面になってそのまま置けないので、残った粘土を利用して静置するための治具を作った。それでも組立には苦労した。
釉薬は、天目を下地として、相対する側面の辺の一方を白マット、もう一方を鉄赤結晶で下から上へ三角に見えるようにつけた。前者の白を雪山、後者の赤を火山の連山として、残りの辺に白い〇を描き、山の間に満月があるイメージのものを描いた。山の頂上は下から辺の3/4として上部は真っ黒とするつもりだった。でも釉薬に漬けるのに失敗し、一番上まで浸かってしまった。
出来た作品の写真を次に示す。
想定通り下から上に向かって一度断面が小さくなり、その後すこし大きくなる形は出来た。しかし4面の寸法がややずれていたのと、組立の不手際によってややいびつになった。
<全体 白い月を挟んで赤い山と白い山>
<赤い山側> <白い山側>
白マットを重ねたほうの白と黒の領域の混ざり具合は想定通りでもう少し白くてもいい。。しかし赤鉄結晶を重ねたほうがそれほど赤くない。下地の天目の浸漬時間をもっと短くすべきだった。また満月が失敗。位置を辺の中央でなくもっとどちらかに移動すれば、どこから見ても月がほぼひとつに見えた。
全体としては、側面の曲面状況や色の配置としては頑張った結果が出ていると思う。
2 タタラ作りの器(その1)
7月窯出しの御深井釉の器の結果から、今度は細かいパターンを作ること、化粧土を使ってみること、そしてシブズケ(御深井釉の場合は細かい割れ(貫入)が入るがそれに色をつける)をしてみることを狙った。
7mm厚さのタタラを作った後ランチョンマットで模様を付けたが、細かい模様のために所々破綻したので、そこに星模様を付けた。アルミボウルで成形し足を付けた後に素焼きをした。
模様の部分に青の化粧土を付け、乾燥後星の部分に黄色の化粧土を付ける。その後全体に御深井釉を載せる。その後のシブズケは教官にお願いした。
できた結果を下に示す。器(星空)と名づけるつもりだったが、黄色の星が見えない。一部黄色っぽい所は下の陶器の地に近い。青土は一応それなりに模様に入っているが、全体として濃度が不均一である。模様のへこみに土を入れるやり方は、まず全体に土を塗って、その後表面を拭いて、へこんでいる部分の土のみをのこすというやり方だが、その拭き方が難しい。
<表側>
<表側の文様の拡大>
<裏面側>
<裏面側の拡大 貫入(釉の割れに色が入っている)>
模様付けはほぼうまくいったと考える。寧ろその模様をどう扱うかで今後検討する。青の化粧土による色付けはあまりうまくいかなかった。寧ろ7月のものと同様に緑の織部を使ったほうが良かったかもしれない。
黄色の化粧土を塗ったところが色がなかったり素地が出たのは、化粧土を塗った後ちゃんと乾燥をしなかったからと、周辺から指摘が出た。少し水があると焼くとき水が爆発するのだそうだ。
シブズケは、表側は目立たなかったが、裏面側はきれいに出ていた。表側のような細かい模様に対しては目立たないが、広い艶のある状況を作って、もう一度トライしたい。
3 タタラ作りの器(その2)
粘土が余ったので、少し小ぶりの器を作った。表にはやはりランチョンマットで大ぶりの葉の文様がついているもの、裏面側には小さな楕円粒の文様のものを選び転写した。表の転写はとても良好だった。なおこちらは足のつけ場所を失敗し、慌てて付け直したため後ろに傷が出来た。
全体を黄瀬戸釉に漬け、その後に表の葉の形に合わせて、赤鉄結晶、織部、白マットを重ねた。それぞれ赤い落葉、新しい緑の落葉、古い漂白された落葉のイメージだった。黄瀬戸の場合、釉が標準より薄い部分、厚い部分がともに黄色から茶色に変色するので、葉の形がきれいに出ることを期待した。
その結果が下記である。
<表側>
<裏側>
表の文様はきれいに出た。白マットは薄くなってしまったが、赤鉄結晶による赤い枯れ葉、織部による新しい緑の落ち葉の雰囲気はよく出ている。
後ろの楕円粒の文様は出ている場所はうまく出ているが、足の付け場所をずらしたので、その荒れが出てしまった。
4終わりに
展示は、1と3を出した。
1については、形状がユニークなのと2つの重ね釉のアイデアは面白いが、やはり全体の歪が惜しいとの評価だった。
3については、展示位置が手を延ばせる位置ではなかったので、後ろの失敗に気付かずに、表の色の良さを褒めてくれた。
この評価等を参考に、年明けの展示会への作品作りを始めた。
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