てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

第4回目の窯出し (今年度最後)

2024-03-23 21:48:41 | 陶芸
1.始めに
 この窯出しの作品は、来年度がないため所有する粘土をできるだけ使い切ることを目的とした。この制作過程で修了展があり1日はそちらで受付をするので、電動ロクロはあきらめた。
 ここではすべてタタラ作りとし、花瓶、小物入れを2つ、そして最後に鉢を作った。もう少し時間があれば手びねりのマグカップを作りたかった。

2.作品の状況
(1)花瓶
 2回目の窯出しの時、4角断面だが下から細くなりそれからまた広がる花瓶を作った。あまりうまくいかなかったので、今度は下から広がりまた細くなる形状のものを作ってみた。

①製作概要
 4面それぞれの左右は曲線になるが、その型は前回の線を使用した。すなわち前回はその線で中央からやや上が細くなるように使ったが、今度は広がるように使った。4面友局面になるので、組立の時に固いほうが良い。前回は粘土を平板にしてから1週間置いて固くしてから組み立てた。しかしまだ柔らかく苦労した。そこで今回は2週間おいてみた。でもやはり難しく、型が必要と言われた。
 釉はまず天目を全体に付けた後、口に白マットを付けた。そして白マットを付けたところに筆で白マットをたっぷり付けたのを置いて、下に垂らすようにした。  
 
②製作結果
 実は底面積を大きくして安定させようと設計したが、完成品はちょっと大きすぎた。これでは水を入れるとかなり重くて、扱いが問題。全体の形状はイメージ通りだが、組立時にうまく接合部を計画通り合わせられなかったため、4辺でもっとも膨らむ位置が違ってしまった。そして側面がつるっとした曲面ではなく、凹凸ができてしまった。これは組立時触りすぎたためである。
 施釉はまあまあ。天目の艶黒はうまく出ている。白マットを上に載せたことによる白黒まだらの部分は想定どおり。白マットを垂らした部分も想定通りだが、途中でとまってもよかったかもしれない。
 この花瓶は水をいれると重いので、造花を飾るようにした。リビングのテーブルにちゃんと収まってくれた。
 

<以前製作の花瓶と並べたもの。右が今回製作。型側面の曲線を上下逆にし傾きを変えた。>

 
<斜め上から>            <側面 傾けて>



<造花を入れた状態>



(2)小物入れ 2点
①製作概要
タタラ作りで、短い長さの異なる筒を2コ作った。中に仕切りを付けている。本当は3種作りたかったが間に合わなかった。
 短いほうは、鉄赤を下に上に天目を付けた。長いほうは鉄赤と織部を下に白マットを付けた。
 特に短い方の釉の重ね結果に興味を持っていた。 

②製作結果
 まずは短い方。筒つくりは実績があるが仕切りは始めてだった。分断するように薄い板を設定し両側を壁につけたが片方が外れた。
 鉄赤を下に天目を上に付けたにもかかわらず、かなり赤色が表面にあがってきてきれいな紋様となっている。これをもっとやれば良かった。
 そして長い方。これも釉が狙い。赤鉄と織部に白マットを載せることの再確認。織部のところは、白と混ざって明るい緑になる。また鉄赤の所は茶色のだんだら模様になる。
 ともに、いい感じに色が付いた。
 この2つの小物入れのうち小さなほうはポスト・イット入れとして、長いほうはカラーマーカー入れとして使っている。

 

<小物入れ 小さなほう>            <ポスト・イットを入れた状態>

 

<小物入れ 長いほう>               <カラーマーカーを入れた状態>

(3)鉢
①製作過程
 時間ギリギリでタタラ作りの円板を作り、アルミのボウルを利用して鉢を作った。時間がなかったので爪痕消しやエッジ処理もせずに素焼きに提出。
 釉は私のグループで人気の、織部を付けた後に透明釉をのせる方法を採った。
 
②製作結果
 爪痕やエッジ処理をしなかった結果、表面にかなり爪痕が付き、エッジがカクッとなっている。もう1回あれば、丁寧に仕上げられた。
 釉は皆のお気に入りどおりに輝く緑に仕上がった。でも実験のつもりで底に黒の化粧土を塗っていたのが、ちょっと露骨に目だつのが残念。

 この鉢は第3回で作った鉢よりも曲率が大きく、やや小さめに作った。使ってみると煮物や湯豆腐等を入れるものとしてちょうどの大きさだった。



<緑の鉢>



3.終わりに
 最初に土を使い切るのが目的と書いたが、残念ながら両手に載せる程度の土が残ってしまった。後2時間ほどあれば、手びねりで湯呑を作ることが出来たのに残念。

 陶芸はこれで終わろうと思っていたが、電動ロクロと釉薬の組み合わせで宿題が出来てしまった。また用途の面でも対象が想定できたので、直ぐではないがまたやってみたい。


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