
サザエさんのアニメ番組を48年にわたり提供してきた東芝が番組スポンサーを降板する意向を受け、高須克弥氏が昨年11月にツイッターで『電通とフジテレビにすぐに連絡した。 高須グループのハウスagencyと値段交渉開始なう』といち早く名乗りをあげ、邪魔するなと釘を刺していたことは記憶に新しい。
結果は御承知の通りアマゾン、西松屋、大和ハウスに決まり高須氏は入札に敗れたようだ。
外資系企業と一部上場企業2社のスポンサーである
。もうサザエさんなどと気安く呼ぶのも躊躇ってしまう。まさにサザエ夫人なのだ。
高須氏は『フジテレビの偉い方から丁寧なお詫びを頂いた。
誠意はわかりました。かっちゃんはもう愚痴りません。仲良くやりましょう。なう』
と入札に敗れたのであるが、また器の大きさが感じられるエピソードとなった。
とここでニュースなら終わるのだろうが、もう少し穿った見方をしてみよう。
サザエさんの原作者は言わずと知れた長谷川町子である。長谷川氏は大正9年生まれ平成4年に72才で亡くなっている。
昭和24年から朝日新聞に掲載され昭和49年まで
25年間も続いた。朝日とサザエさんは二人三脚で戦後を歩んできたと言って良いであろう。
長谷川氏は戦時中風景をスケッチしていたところ憲兵にスパイ容疑で逮捕されたり、戦争体験から恐らく日本軍に憎悪、ルサンチマンを抱えていたに違いない。
そんな中スポンサーに高須氏が手を上げたのだ。
朝日と長谷川町子財団が三ヶ根山の殉国七士廟で日の丸を掲げ参拝する高須氏をどう感じているのかは保守であれば容易にわかるであろう。
つまり高須氏のスポンサー狙いは朝日によって妨害された可能性が濃厚であると考えることが出来る。結果として高須氏よりも高額で入札し国民的アニメが存続されたのであるから、高須氏は金を払わずに思いが叶った訳である。
不正会計をきっかけに経営難に陥った東芝は、スポンサーを降り、事業の切り売りで乗り切ってきた。最後に残された2兆円規模とされる半導体子会社「東芝メモリ」の売却が決着したにせよ、先行きが危うい事実に変わりはない。
シャープが東芝のPC事業買収を検討しはじめている。
西松屋や大和ハウスがいるものの粗一社提供のようなものであろう。東芝と共に戦後が終わったかのように感じたのも束の間、黒船に乗った日本人が来航したのである。
日本の真の夜明けはそこまで来ているものの中々明けない。その兆しはあちこちにあるのだが。