トランプ次期大統領は税金について、法人税の35%から15%への引き下げ、(中国からの)輸入品に45%の関税をかけることを公約にしている。
日本ではとくに後者についてその実現性を疑う意見が多いが、アメリカでは関税ではなく税制改革をつうじた輸入抑制の可能性がさかんに指摘されている。
そのもとになっているのが2016年6月24日に共和党のライアン下院議長とブラディー下院議員が発表した税制改革案である。
税制改革案では、法人税を現在の35%から20%に引き下げること、所得税の最高税率を現在の39.6%から33%に引き下げることとならんで、生産地でなく消費地で課税するという仕向地課税(destination-basis tax system)が提唱されている。
詳細は明らかになっていないが、アメリカで生産されたものでも輸出されるものには課税せず(その売上をバランスシートに計上しなくてよい:私の理解です)、逆にアメリカで消費される輸入品には課税するというような説明がされている。
最初に述べたようにアメリカのメディアでは、こうした仕組みにより輸入抑制がはかられる可能性がさかんに指摘されている。
これが実現すると、中国だけでなく日本を含むアメリカへの輸出が多い国に広く影響が及ぶことになる。気になるところである。