アメリカで失業保険を申請する人が歴史的に例をみない水準にふえているが、その理由のひとつに失業保険が月30万円以上もらえるというのがある。
アメリカの失業保険は州ごとに異なっているが、失業前の給与の4-6割程度が支給される仕組みになっている(日本は収入により4-8割)。
ただし州ごとに、月10万円(ミシシッピ州)から月36万円(マサチューセッツ州)という支給上限がきめられている(日本は年齢により異なるが最高で20万円程度)。
ところが新型コロナウイルス対策のいっかんとして現在、これに週600ドル(6.6万円:1ドル=110円)が4か月間一律加算されることになっている。月にすると25万円の加算である。
この結果、アメリカでは失業保険給付が月30-40万円以上という日本からすると驚くような水準になっている。
もとの仕事よりたくさんの手当をもらっている人も少なくない。
このほかアメリカでは、大人一人1200ドル(13万円)の支給もすでに終わっている。
日本でアメリカはレッセフェール(自由放任主義)で弱者支援が少ないとよく言われるが、日本では考えられないような手厚い水準である。
ちなみに、アメリカの失業保険の支給期間は基本的に26週(半年)だが、失業が増えると52週(1年)に延長される。
リーマンショック後は、これが99週間(約2年)まで延長された(日本は勤続年数などによるが最高330日)。
雇用が短期間で回復にむかえば、こうした手厚い手当は個人消費の落ち込みを軽減させるのに大きな力になるかもしれない。