ウォールストリートジャーナルによれば、2019年、新興国のハイイールド債(信用格付けが投資適格にみたない企業の債券)の発行は1180億ドル(13兆円:1ドル=110円)と過去最高になるみとおし。発行の半分を中国がしめている。
この背景にあるのが、世界的な低金利。
WSJによれば、アジアのハイイールド債の利回りは7.6%と、米国のそれより2%ほど高く多くの投資家をひきつけている。
来年には今年以上のハイイールド債の発行がみこまれている。
ところで、これに警告を発しているのがIMF。
IMFのレポート(2019年10月)は、ハイイールド債など危険性の高い投資がふえた結果、ノンバンクの財務がリーマンショック前と同じぐらい脆弱になっていると警告している。
そしてこれをうらづけるようにWSJは、中国では今年10月までに民間企業が発行した元建て債券の4.5%がデフォルト(債務不履行)になったと指摘している(国有企業のデフォルトは0.2%)。
アメリカで金融緩和がつづくかぎり世界をゆるがすような大きな混乱はおきないと思うが、2018年末にあったように米金融緩和の出口が意識されたとき世界の金融情勢はどうなるのであろうか?
来年の大きな懸念である。