ドイツの景気後退入りが確定した。
2020年5月15日(金)、ドイツ統計局は2020年第1四半期のGDPが年率-8.6%になったと公表した。
ドイツのGDPは2019年第4四半期も小さいがマイナスだったため、景気後退入りが確定した(景気後退は一般にGDPの2期連続マイナスと定義される)。
ちなみにEU全体のGDPは-14.2%。
コロナ感染が深刻な国ほどGDP(2020年Q1)の落ち込みは大きく、フランスは-21.4%、イタリアは-17.7%、スペインは-19.4%となっている。
なお日本の2020年第1四半期のGDPはあさって5月18日(月)に発表される。
日本は2019年10月に消費税を8%から10%に引き上げため、2019年第4四半期のGDPは年率-7.1%。
日本の2020年第1四半期GDPもマイナスになるのは確実で(ブルームバーグが集計した予想の中央値は年率-4.5%)、ドイツとともに景気後退入りとなる見込み。
ちなみに、2期連続GDPマイナスという基準をあてはめると、日本はリーマンショックのあと3回景気後退を経験しており、今回は4回目となる(アメリカはゼロ)。
1)2010年Q4-2011年Q2(3期マイナス)
2)2012年Q3-4(2期マイナス)
3)2015年Q3-4(2期マイナス)
4)2019年Q4-2020年Q2?
直近の2回は日銀による超金融緩和と財政出動により短期に経済が持ち直し(景気後退という認識さえほとんどもたれず)、本格的な景気後退にはならなかったが、今回はそういうわけにはいかなそうである。
コロナの脅威が完全にはなくならないなか、今回どのような形で景気が回復していくのか注意してみていきたい。
2020/5/18追記
日本の2020年第1四半期のGDPは前期から年率換算で-3.4%(速報値)になった。消費税引き上げ前の2019年第3四半期からは年率換算で10%以上のマイナスということになる。