2017年7月28日(金)の午前2時前(米東部時間)、米上院は医療保険の義務化(罰金あり)の廃止を柱としたオバマケアの部分廃止案(最小限にしぼった廃止法)を51対49で否決した。
医療保険の義務化が廃止されると、健康な人を中心に医療保険をやめる人が増え、結果として医療保険料が高騰することが心配されている。
議会予算局(CBO)は、このオバマケアの部分廃止が成立すると1年で1,500万人の人が無保険となり、医療保険料が20%上昇すると推計している。
2017年7月28日(金)の午前2時前(米東部時間)、米上院は医療保険の義務化(罰金あり)の廃止を柱としたオバマケアの部分廃止案(最小限にしぼった廃止法)を51対49で否決した。
医療保険の義務化が廃止されると、健康な人を中心に医療保険をやめる人が増え、結果として医療保険料が高騰することが心配されている。
議会予算局(CBO)は、このオバマケアの部分廃止が成立すると1年で1,500万人の人が無保険となり、医療保険料が20%上昇すると推計している。
2017年7月26日(水)、米上院で修正なしにオバマケアを廃止する法案の採択がおこなわれた。
結果は、共和党から7人の造反者がでて45対55で否決された。
これ以降は、オバマケアの一部だけを廃止するさまざまな法案の採択が試みられる予定。
まず7月27日(木)には、医療保険を強制する条項(医療保険がないと罰金が科せられる)だけを廃止する法案の採択がおこなわれる予定。
医療保険の強制がなくなると、病気になった時だけ医療保険に加入する人が増加し、結果として医療保険料が高騰すると心配されている。
2017年7月25日(火)、米上院でオバマケア廃止法案の審議開始を問う投票がおこなわれた。共和党から二人の造反者がでて投票結果は50対50となったが、規定にしたがい上院議長をつとめるペンス副大統領がもう一票を投じ、最終的に51対50で法案審議の開始がきまった。
議会予算局(CBO)はオバマケア廃止法が成立すると2026年までに無保険者が3200万人増加するとの推計を発表している。
アメリカについでカナダでテーパリング(金融緩和の縮小)が始まり、EU(ECB)やイギリスがそれに続こうとしている。
日本のメディアでは日本だけ出口が見えない、取り残されるという意見を多く見るが、海外の見方は少し違うようだ。
日銀は年80兆円をめどに国債買い入れをおこなうとしているが、実際には、現在の買い入れペースは年60兆円にまで低下している。
これを海外ではステルス・テーパリング(隠した金融緩和の縮小)と言っている。
日本の経済規模から考えてあまりに大規模な国債買い入れはすでに限界が意識され、買い入れ額の縮小に入っているというのが現実だろう。
ちなみに、伊東光晴氏などが早くから指摘しているように、日銀がいくら大量の国債を買ってお金を市中に放出しても、その大半は日銀の当座預金に帰ってきており、最終的に市中に出回るお金の量はほとんど変わっていない(たとえば日銀がA銀行から100億円の国債を買うと、A銀行はその100億円をベンチャーなどに投資するのではなく、日銀の当座口座に預けている)。下の表にあるように、日銀の国債保有残高から日銀の当座預金残高を引いた金額は約100兆円でこの数年大きくは変化していないのである(注)。
このため逆説的だが、国債買い入れが80兆円から60兆円に減っても経済への大きなマイナスはほとんど出ていない(市中のお金の量は変化していない)。
私個人としては、日銀の信認性が問われるようになる前に、日銀は国債買い入れ額を持続可能なレベルにまで徐々に引き下げていくべきだと思うし、日銀は実際にその過程に入っていると思う。
黒田日銀総裁の本当の力量が問われるのはこれからである。
(注)一般に通貨供給量は、日銀の当座預金を含めて計算される。このため計算上は、日銀の国債買い入れで通貨供給量が増加し、リフレ派はそれで経済が拡大するとしている。しかし、日銀の当座預金に積みあがっている大量のお金が本当に経済拡大に寄与しているかどうか疑問視する人も多い。
2018年3月1日(水)追記
昨年末から朝日新聞や外国系通信社が伝えるところによると、日銀の国債買い入れは40兆円強にまで縮小している。
日本のニュースでもひろく伝えられているが、2017年7月17日(月)、あらたに共和党の2人の上院議員がオバマケア改廃案への反対を表明。
反対派が四人となり、共和党のオバマケア改廃案は上院で過半数の賛成を得る見込みがなくなった。
マコーネル上院院内総務は、まずオバマケアを廃止する法案を可決させ、数年かけて新しい医療保険法を作るとしているが、十分な賛成を得るのは難しいとみられている。
ウォールストリートジャーナルは、可決の見込みはないものの来週にオバマケア廃止法案の採択がおこなわれる見込みと伝えている。