大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

広島に行ってきた: 広島名物といえば

2018年05月26日 | 日記

  オープンキャンパスー父母懇談会ーで広島に行ってきた。

  広島出身の学生は結構多く、昨年度の私の四回生ゼミにも2人広島出身者がいた。1人は国家公務員に、1人は広島の銀行に就職している。

  今回の父母懇談会では、二回生以上の親御さんを中心に就活についての質問が多く出た。できうる限りお答えしたつもりであるが、少しでも参考にしていただけることがあったらいいのだが。

  懇談会の後、本当はゆっくり広島の夜を楽しみたかったが仕事の都合でそうもいかず、広島焼きを食べて帰路についた。

  下は、もうひとつの広島名物、低床電車。

  新幹線にて。


琵琶湖でゼミ合宿

2018年05月21日 | 日記

  この土日、琵琶湖の白浜で三回生のゼミ合宿をおこなった。

  

  もよりの駅前にある巨大なガリバー像。

 

  つい先日、京都は気温30度を超えたというのに、土曜は一転、低い雲が垂れ込め最高気温が10度台という寒い1日となった。

  天気だけは少し残念だったが、4つに分かれてのグループ報告はよく調べられており、議論も活発におこなわれた。ゼミ生同士の親睦もふかまり、とても有意義な合宿だったと思う。

  京都から電車で1時間弱という距離もほど良い感じ。

  来年は晴れるといいな。

   帰り道の風景。日曜はいい天気になった。


イタリア保守連立政権、大減税とベーシックインカム導入: 財政悪化懸念から長期金利が急上昇

2018年05月20日 | 日記

  イタリアで保守連立政権の政策が決まった。日本のメディアでもかなり報じられているが、ベーシックインカムの導入など興味深い点が多いのでここにその内容をまとめておく。

  連立を組むのは経済発展した北部を基盤にする同盟と、経済的に遅れた南部を基盤とする五つ星。同盟が富裕者が利益を受ける単一税率を主張するのに対し、五つ星は低所得層へのベーシックインカムを主張するなど政策に大きな違いがあったが、この度、政策合意に達した。

(税率)

  BBCによると税率を、8万ユーロ(1千万円:1ユーロ=130円)以上の所得者に対して20%、それ以外の課税対象者に15%という二本立てに簡素化する。BBCは、この減税により年800億ユーロ(10兆円)の税収減になるとしている。

 また来年に予定されていた消費税の引き上げ(125億ユーロ=1.6兆円)を中止する。

(ベーシック・インカム)

  低所得者に月780ユーロ(10万円)の手当て(ベーシック・インカム)を支給する。BBCは、これにかかるコストを170億ユーロ(2.2兆円)としている。

 また最低年金月額を780ユーロ(10万円)にし、前政権で決まった年金支給年齢の引き上げを見送る。BBCは、これにより150億ユーロ(2兆円)の支出増になるとしている。

(外交)

  ロシアとの協力関係の強化をめざす。2014年のクリミア侵攻以来、EUはロシアに対し経済制裁をおこなっているが、伊連立政権はこの経済制裁を解除することを求めている。

(財政)

 EUは加盟国に対し、毎年の財政赤字をGDPの3%以下に抑えることを求めているが、積極財政を追求する伊連立政権は、その見直しを求めるとしている。

 以上まとめたように伊連立政権は積極財政により経済の活性化をめざそうとしているが、イタリアの政府負債はGDPの130%とEUの中ではギリシャについで多く、メディアではイタリアの財政悪化を懸念する意見が多く出ている。

2018年5月20日追記

 フィナンシャル・タイムズによれば、イタリアの10年国債の利回りはこの2週間で0.5%上昇(価格は低下)。2018年5月18日(金)には、同盟と五つ星が躍進した選挙前につけた直近のピーク2.193%を上回り、2.217%に達した。


トランプ大統領、輸入車に20%の関税を提言

2018年05月12日 | 日記

 ウォール・ストリート・ジャーナル(2018/5/11)によれば、2018年5月11日(金)、トランプ大統領はホワイトハウスでおこなわれた自動車メーカー首脳との会談において、輸入車に20%の関税を課すこと(現在の関税は自動車が2.5%、トラックが25%)、また輸入車に国内より厳しい環境基準(排ガス基準)を課すことを検討していると述べた。

 以前書いたように輸入車を国別にみると(カナダとメキシコを除くと)日本が一番多く170万台、次いで韓国の82万台、3位がドイツの約50万台となっており、もっとも大きな影響を受けるのが日本メーカー。

 現在のところ中国からの自動車輸入はわずかで、自動車の輸入関税引き上げは日本、韓国、ドイツをターゲットにしたものであることは明らか。

 なお、いまおこなわれているNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉でも自動車が大きな焦点になっている。

 米政府は、自動車を域内で無関税で輸出するには(1)域内部品調達比率を現在の62.5%から75%に引き上げること、また(2)部品の40%以上が時給16ドル以上の域内地域(事実上、アメリカかカナダ)で生産されていること、をもとめている(WSJ 2018/5/7)。

 自動車生産のアメリカ国内回帰が本当に実現するのか、注意してみていきたい。

参考

トランプ政権、輸入車に国内より厳しい排ガス基準、試験を検討(2018/4/8)


アルゼンチン、IMFに信用供与求める

2018年05月09日 | 日記

 2018年5月9日(水)、欧米各紙はアルゼンチンが300億ドル(3.3兆円:1ドル=110円)のクレジット・ライン(融資枠)を求めてIMFと話し合いをおこなっていると報じた。

 現在、アルゼンチンのインフレ率は25%を超え通貨ペソの下落が進んでいる。これを食い止めるため、アルゼンチン中銀はさきごろ8日間で12.75%の利上げをおこなうとともに、50億ドル(5500億円)のドル売り介入をおこなった。

 しかし、ペソの下落は止まっていない

 これ以上の利上げは景気への悪影響が大きく、ドル売り介入についてもウォール・ストリート・ジャーナルはこのペースで介入が続けば2か月でアルゼンチンの外貨準備は底をつくとしている。

 こうしたなか、アルゼンチンはIMFと300億ドル(3.3兆円)の融資枠をもとめて話し合いに入ったと報じられている(3.3兆円という数字はフィナンシャル・タイムズから)。

 アルゼンチンは2001年に政府の対外債務がデフォルト(債務不履行)におちいり、2003年にIMFから融資をうけている(この条件としてアルゼンチンはIMFから政府予算をGDP比で3%の黒字にすることをもとめられた)。

 WSJによれば、アルゼンチンの対外債務は、2015年に1789億ドル(20兆円)だったものが2018年には2529億ドル(28兆円)にまで増加している。これはGDPの39%に相当し、多くはドル建て債務となっている。今回の融資枠の設定は、2001年のような事態を再び起こさないためー投資家を安心させるためーの措置ではないかと思われる。市場の反応を見守りたい。

参考

 アルゼンチン、政策金利を40%に引き上げ(2018/5/5)

 新興国通貨が下落(2018/5/1)