先日、ゆうちょ銀行は会見で、厳しいノルマと投信などの不適切販売に関係はみられないと発表した。
これをそのとおりに受け取る人はほとんどいないだろう。
ところで、少し前、アメリカのウェルズファーゴという銀行で同じ問題がおこっている。
ウェルズファーゴはサンフランシスコに本店がある、アメリカで資産規模第3位の銀行。
同行は、金融機関のなかで高い利益率をほこったが、その原動力になったのが厳しいノルマと活発な販売活動。
ウォールストリートジャーナルによれば、ウェルズファーゴの窓口販売員の基本年収は3万ドル(300万円:1ドル=105円)。
同行には口座新設やクロスセールス(顧客がすでにもっている商品に関連した商品の追加販売)などについてノルマがあり、窓口販売員は目標を達成すると四半期ごとに500から2000ドル(5-20万円)、地域マネージャーには年1-2万ドル(100-200万円)のボーナスが支給されていた。
またノルマを達成できない行員に対しては、しっせきなど厳しいプレッシャーがかけられていた。
こうしたなか、同行ではノルマを達成しようと顧客に無断で口座を開設したりする不正が広がっていくことになった。
そして同行は、そうした不正の広がりに気がついていたが、抜本的な改革がなされることはなかった。
しかし、2013年12月、ロサンジェルスタイムズの調査報道で同行の不正販売が広く知られるところとなった。
同行は、2017年1月に販売目標の設定を中止。
2017年4月には、第3者による調査報告書が公表され、ウェルズファーゴ首脳の責任を認めている。
ゆうちょ銀行、かんぽ生命についても真相の解明を望みたい。