現在、FED(連邦準備制度=米連銀)は年内は利上げをおこなわないという見方が広がっている。
ウォールストリートジャーナル(2019/2/19)によれば、FF金利先物から計算される年内利上げの可能性は0.9%まで低下している(市場の予想確率)。
心配なのはインフレ率の上昇である。
名目賃金は対前年比で3%を超える上昇が続いており、物価への影響が懸念される。
ただ、1年前にガソリン価格が急騰した影響で、今後半年ほどエネルギー価格は対前年比で大きなマイナスが続くと見込まれる。
またウォールストリートジャーナル(2019/2/24)は、FEDが2%のインフレ目標のオーバーシュート(超え)を許容する議論を始めたと報じており、FEDが金融引き締めを再開するハードルが上がる可能性もでてきた。
こうしたことが、最初に述べたFEDは年内は利上げをおこなわないとする見方が広がる背景になっていると思われる。
ただ、FED内部もハト派一色というわけではないようだ。
ウォールストリートジャーナル(2019/2/25)によれば、アトランタ連銀のボスティック総裁は、今年1回、来年1回の利上げを予想している。
同紙は、ほかにもクリーブランド連銀のメスター総裁などが、経済環境が良好であることが確認できれば利上げを支持すると述べていると伝えている(ともにFEDの金融政策を決定するFOMCのメンバー)。
発言のぶれが目立つパウエルFRB議長が、今夜、議会でどのような発言をするか気になる。
2019/4/20追記
市場では依然、年内利上げはないという見解が支配的(利下げの予想すらある)。ただアメリカでは2月中旬からガソリン価格が上昇。4月に入ると前年比でプラスになってきている。