大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

電気自動車でファブレス化の試みはじまる

2019年03月27日 | 経済

 電気自動車で、アップルと同じようにファブレス化(工場を持たず設計だけおこない、製造を他社に委託する方式)をはじめる企業が登場した。

 オートモーティブニュース(2019/3/19)によると、電気自動車製造のスタートアップ企業Evelozcity(カリフォルニア州)は、製造請負企業Magna Steyrと電気自動車の生産委託で合意した。

 アップルもかつては、米国の自社工場でコンピューターを生産していた。

 しかしコンパックから移籍してきたジム・クック氏(現CEO)がスティーブ・ジョブズ氏を説得して、鴻海(ホンハイ)などに製造委託することを決定。その後のアップル大躍進の基礎となった。

 製造過程が複雑な自動車産業はファブレス化とは無縁と思われてきたが、部品点数が少なく、汎用品の利用割合が大きい電気自動車でそうした常識にとらわれない試みがでてきた。

 こうした企業のなかから、自動車産業のアップルのようなものが出てくる可能性も皆無ではない(ちなみにテスラは徹底的な内製化をめざしており、ファブレス化とは正反対の方向を目指している)。

 

 なおオートモーティブニュースによれば、Magna Steyrは現在、オーストリア工場でベンツ、BMW、ジャガーの自動車を受託生産している。 


米連銀、10月に資産縮小を停止

2019年03月25日 | 日記

 2019年3月19日と20日、米連銀の金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)の会合がおこなわれ、金利を2.25-2.5%のまま据え置くことを決定した。

 「政策転換にはしばらく時間がかかる」というパウエルFRB議長の発言やFOMCメンバーの金利予想(ドットチャート)をうけ、市場では年内は利上げがないという見方が圧倒的となっている。

 FOMCは同時に、今年10月に資産縮小を停止することも決定した。

 ウォールストリートジャーナルによれば、現在、米連銀は毎月、償還期限がきた300億ドル(3.3兆円:1ドル=110円)の国債と200億ドル(2.2兆円)の不動産抵当証券、あわせて500億ドル(5.5兆円)の資産について、再投資をおこなわず資産縮を進めている。

 しかし今回、FOMCは、今年5月から国債の縮小巾を月300億ドルから200億ドル(2.2兆円)に圧縮。10月以降は縮小を停止することを決定した。

 また不動産抵当証券については縮小を継続するが、償却分を国債に再投資するとされている。

 なお日本のメディアではあまり報道されていないように思うが、米連銀は株が急落した昨年末のように市場をミスガイドする可能性が高いとしてドットチャートの公表を中止することを検討しているほか(WSJ)、不況になったときの政策の幅を増やすため資産に占める長期国債の比率を低くすることを検討している(WSJ)とも伝えられている。

 

米連銀、資産圧縮を早期停止か? (2019/1/26)


NVIDIA、自動運転の仮想現実システムを外販: 第1号はトヨタ

2019年03月23日 | 日記

  現在、公道を使った自動運転のデータ蓄積競争がはげしくなっている。

 こうしたなかNVIDIAは、仮想現実をつかった自動運転データの蓄積システムの外販を開始。トヨタが最初のシステム導入社になったと発表した。

 オートモーティブニュースによると、このシステムは実走車のデータをつかって仮想現実を構築。そこで1000台の車をシュミレートすることで1日に120万マイルの走行データを蓄積することができる。

  同紙によれば、グーグル傘下の自動運転開発企業ウエイモも仮想現実の利用をはじめており、実車で1千万マイルのデータを蓄積する一方、仮想現実を使ってすでに70億マイルの走行データを蓄積している。

   オートモーティブニュースは、実車で何も異常事態が起こらない走行を重ねても得られるものは少ないが、仮想現実では様々な状況をシミュレートでき、そこで得られるデータの有用性も高いとしている。

   自動運転、電気自動車について欧米のニュースをフォローしていると、文字通り日進月歩で技術が進んでいると実感する。

   これに対し日本では、未だにチャデモとコンボの覇権争いが大きな政策テーマになっていてーアメリカの充電ポイントは両方の方式をカバーしており、欧米で充電形態の規格争いがニュースになることはないー、流れている時間の早さの違いを実感させられる。


EU、英離脱期限を4月12日に延期

2019年03月22日 | 日記

 2019年3月21日、EUは英離脱期限を3月29日から4月12日に無条件で延期することを決定した。

 EUは、EUとメイ首相が合意している離脱案が英議会で可決されれば、離脱期限をさらに5月22日に延長するとしている。

 インディペンデント紙は、さらに離脱期限を延長する可能性もあるが、その場合には4月12日までに5月におこなわれるEU議会選挙への参加を決定することが条件になるとしている。


立命館大学の卒業式

2019年03月20日 | 日記

 今日は立命館大学衣笠キャンパスの卒業式。

 今年のゼミ生の就職先はいつものように金融関係が多く、都銀1、損保1、地銀3、証券1、IT1、メーカー2、物流システム1、商社2、府県庁2。

 就活は売り手優位と騒がれているが、実際にはたからみていると大変ではらはらする。

 本当は就職してからのことの方が心配だったりするのだが、みなたくましいのでうまくやっていくに違いない。

 初夏のような日差しにめぐまれた明るい卒業式だった。