藤本儀一氏が亡くなった。死因は「中皮腫」だそうである。
何故に作家が「アスベスト」被害者なのだろうか。氏は大阪の人である。しかしその振る舞いは、洗練され磨かれていた。
なぜに「中皮腫」?。
辿り着いたのは、TVスタジオに25年間も通い続けた結果なのであろうと想像した。
TVスタジオや劇場などは、防音上大量の「アスベスト」が使用されていた。
又、地域的にも「アスベスト」加工工場が多く存在してきた歴史的事実が其処に存在する。「尼崎訴訟」「泉南訴訟」・・・。その被害者は住民にも及んでいるが、国の取ってきた対策はお粗末な物であった。
嘗ての「水俣病」や「イタイイタイ病」に対する対応と同じであり、被害者の救済などは後回しなのだ。
文化人にまで及んだ「アスベスト」被害を、真剣に考える政治家は何処にも見当たらない。
氏の冥福を心から祈りたい。