(写真)フロックスの花
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フロックスは、北アメリカ大陸が原産で、例外としてシベリアにも1種があるそうだ。ベーリング海峡が陸続きの時にモンゴロイドの大移動とは逆に、シベリアに何らかの形で旅行した種がいたのだろうかというロマンチックな疑問がわく。
性質は強健で晩春から夏にかけて燃えるようなピンクの花を咲かせ、遠くから見るとピラミッド形をなし、近づいて見ると茎という幹線にいくつかの支線がつき、一つの支線がサテライトを形成し花のプラットフォームとなっている。
和名では“オイランソウ”とも呼ばれ、花の香りが花魁のおしろいの匂いに似るところからつけられたようだが、頭上のあでやかな飾りから“おいらん(花魁)ソウ”と言われたとしか思えない。
“花魁”は、江戸吉原の高級遊女の呼称で、京では“太夫”と呼ばれていた。
“花魁”になるためには、芸事(三味線、舞踊)、教養(古典、書道、茶道、和歌)に優れていないといけないというので、才能は別にして努力を嫌うヒトには難しい大変な職業でもあったようだ。
華やかさを支える才能と努力、わかっているヒトはこれを愛で、わからないヒトはこれを嫌う。
フロックス・バニキュラータは、いまでは300種近い園芸品種が作出され夏場の主要な花として世界中で愛されているようだ。
(写真)フロックスの立ち姿
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フロックス・パニキュラータ(Phlox paniculata)
・ハナシノブ科フロックス属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Phlox paniculata.L.(フロックス・パニキュラータ)。属名のフロックスは、“火”を意味し、種小名のパニキュラータは、円錐形の花を形成することを意味している。英名はSummer Phlox、Fall phlox、Perennial phlox。
・和名は、クサキョウチクトウ、別名はオイランソウ、宿根フロックス。
・一年草のフロックスは、フロックス・ドラモンディ(Phlox drummondii)で、和名ではキキョウナデシコ(桔梗撫子)とも呼ばれる。
・原産地は米国北東部で、例外としてシベリアにも1種ある。
・草丈、40~50㎝で直立し、茎の先にピラミッド型にピンク色の花をつける。
・開花期は6~9月と夏中花が咲く。
・耐寒性は強いが、夏の高温多湿には弱い。風通しの良い半日陰で夏を過ごさせると良い。
・春に株分けで増やす。
・明治時代に日本に伝わる。
・下剤などのハーブとして使われていた。
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<Contents of the last year>
フロックスの名前と普及の歴史
フロックスは、ギリシャ語で“火”という意味のPhloxを語源とし、phlogi-fourusは火炎色の花、フロックスに似た花となる。
古代ギリシャ・アリストテレスの後継者、テオフラストス(Theophrastus B.C371~287)が炎の色をした花卉植物をフロックスと呼んだそうだが、いまではどの植物のことかわからなくなっている。ただ、炎のような真っ赤な花というイメージだけはフロックスに引き継がれた。
学名のフロックス・パニキュラータは、花が集まった房(花房)が茎の頭上に集まり円錐形を形成するのでパニキュラータ(=円錐花序)という名がつけられた。
和名では、クサキョウチクトウと呼ばれているが、キョウチクトウ(夾竹桃)に似た葉をしているということで名付けられたようだ。
日本には明治時代に伝わるが、ヨーロッパに伝わったのも18世紀以降であり伝播の歴史は新しい。
イギリスへの伝播は、
薬剤師で植物学者のジェームズ・シェラード(James Sherard 1666-1738)は、ロンドン・グリニッチの南エルタムに栽培園を所有し、この当時の珍しい植物を栽培していた。
この庭は“エルタムの庭”として有名になり、リンネなどにも植物の情報を提供しているが、北米産のフロックス・パニキュラータもこの庭で咲いていたという。
このことを紹介したのは、ドイツの植物学者ヨハン・ヤコブ・ディレニウス(Johann Jakob Dillenius 1687-1747)であり、1732年に紹介しているので、北米原産のフロックス・バニキュラータは、1732年以前にヨーロッパに伝わった。
アディソン(Addison,Josephine)著の『The illustrated Plant Lore』によれば、1725年にイギリスにもたらされたという。
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フロックスは、北アメリカ大陸が原産で、例外としてシベリアにも1種があるそうだ。ベーリング海峡が陸続きの時にモンゴロイドの大移動とは逆に、シベリアに何らかの形で旅行した種がいたのだろうかというロマンチックな疑問がわく。
性質は強健で晩春から夏にかけて燃えるようなピンクの花を咲かせ、遠くから見るとピラミッド形をなし、近づいて見ると茎という幹線にいくつかの支線がつき、一つの支線がサテライトを形成し花のプラットフォームとなっている。
和名では“オイランソウ”とも呼ばれ、花の香りが花魁のおしろいの匂いに似るところからつけられたようだが、頭上のあでやかな飾りから“おいらん(花魁)ソウ”と言われたとしか思えない。
“花魁”は、江戸吉原の高級遊女の呼称で、京では“太夫”と呼ばれていた。
“花魁”になるためには、芸事(三味線、舞踊)、教養(古典、書道、茶道、和歌)に優れていないといけないというので、才能は別にして努力を嫌うヒトには難しい大変な職業でもあったようだ。
華やかさを支える才能と努力、わかっているヒトはこれを愛で、わからないヒトはこれを嫌う。
フロックス・バニキュラータは、いまでは300種近い園芸品種が作出され夏場の主要な花として世界中で愛されているようだ。
(写真)フロックスの立ち姿
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フロックス・パニキュラータ(Phlox paniculata)
・ハナシノブ科フロックス属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Phlox paniculata.L.(フロックス・パニキュラータ)。属名のフロックスは、“火”を意味し、種小名のパニキュラータは、円錐形の花を形成することを意味している。英名はSummer Phlox、Fall phlox、Perennial phlox。
・和名は、クサキョウチクトウ、別名はオイランソウ、宿根フロックス。
・一年草のフロックスは、フロックス・ドラモンディ(Phlox drummondii)で、和名ではキキョウナデシコ(桔梗撫子)とも呼ばれる。
・原産地は米国北東部で、例外としてシベリアにも1種ある。
・草丈、40~50㎝で直立し、茎の先にピラミッド型にピンク色の花をつける。
・開花期は6~9月と夏中花が咲く。
・耐寒性は強いが、夏の高温多湿には弱い。風通しの良い半日陰で夏を過ごさせると良い。
・春に株分けで増やす。
・明治時代に日本に伝わる。
・下剤などのハーブとして使われていた。
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<Contents of the last year>
フロックスの名前と普及の歴史
フロックスは、ギリシャ語で“火”という意味のPhloxを語源とし、phlogi-fourusは火炎色の花、フロックスに似た花となる。
古代ギリシャ・アリストテレスの後継者、テオフラストス(Theophrastus B.C371~287)が炎の色をした花卉植物をフロックスと呼んだそうだが、いまではどの植物のことかわからなくなっている。ただ、炎のような真っ赤な花というイメージだけはフロックスに引き継がれた。
学名のフロックス・パニキュラータは、花が集まった房(花房)が茎の頭上に集まり円錐形を形成するのでパニキュラータ(=円錐花序)という名がつけられた。
和名では、クサキョウチクトウと呼ばれているが、キョウチクトウ(夾竹桃)に似た葉をしているということで名付けられたようだ。
日本には明治時代に伝わるが、ヨーロッパに伝わったのも18世紀以降であり伝播の歴史は新しい。
イギリスへの伝播は、
薬剤師で植物学者のジェームズ・シェラード(James Sherard 1666-1738)は、ロンドン・グリニッチの南エルタムに栽培園を所有し、この当時の珍しい植物を栽培していた。
この庭は“エルタムの庭”として有名になり、リンネなどにも植物の情報を提供しているが、北米産のフロックス・パニキュラータもこの庭で咲いていたという。
このことを紹介したのは、ドイツの植物学者ヨハン・ヤコブ・ディレニウス(Johann Jakob Dillenius 1687-1747)であり、1732年に紹介しているので、北米原産のフロックス・バニキュラータは、1732年以前にヨーロッパに伝わった。
アディソン(Addison,Josephine)著の『The illustrated Plant Lore』によれば、1725年にイギリスにもたらされたという。