モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

フロックス・マキュラタ(Phlox maculata)の花

2009-06-26 08:24:26 | その他のハーブ
(写真) フロックス・マキュラタの花


アメリカ合衆国東部の草原(meadow)に自生するフロックス・マキュラタは、円錐形に花が集まって咲く
コモンネームとしてmeadow phlox(メドウ・フロックス)とも呼ばれているが、まさに、湿った草原が自生地の花だ。

その花姿は、同属のフロックス・パニキュラータ(Phlox paniculata)と同じ直立の茎の頂上に花が密集し、円錐形を形作る。

花は、白地の花弁を、淡いピンクの色が矢車のように5枚の花弁に線を描き
ユニークな模様となっている。
確かに、甘い香りが漂い、好き好きがあるが悪くはない。

フロックスは、バラと同じぐらい育て方が難しい。うどんこ病、ハダニ、根ぐされなどの問題を抱える。陽射しのある風通しの良いところでやや過湿気味に育て、春先に殺菌をしておくとよい。

(写真)フロックス・マキュラタの立ち姿
        

フロックス・マキュラタ(Phlox maculata)
・ハナシノブ科フロックス属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Phlox maculata L.(フロックス・マキュラタ)。英名はmeadow phlox(メドウ・フロックス)メドウは草原とか湿地の意味、別名wild sweet William。
・原産地は北米(南東部米国)の湿った草原。
・草丈、40~70㎝で直立し、茎の先にピラミッド型にピンクと白の色の花をつける。
・開花期は6~7月。甘い香りがする。
・うどんこ病にかかりやすいので、春先に予防的な薬を散布しておく。

フロックス・マキュラタを発見したリンネの使徒Kalm
フロックス・マキュラタの命名者はリンネだが、コレクターは、スウェーデンの植物学者ピーター・カール(Pehr Kalm 1716 - 1779)で、サルビア・リラータ‘パープルボルケーノ’の採取者でもあった。

彼は、ツンベルグ同様にリンネの弟子であり、植物研究が遅れている未開拓地に送り込まれることでも運命をともにしている。

カールが送り込まれたところは、スウェーデンの科学アカデミーが探検地を決定していた北米、カナダであり極寒地での繊維産業育成に役立つ植物収集(=ハンティング)だった。

1747年に北米の探検旅行に出発し、ペンシルバニアに1748年に到着したが、ここで、ベンジャミンフランクリンと知り合い友情を結ぶ。
ベンジャミンフランクリンは、言うまでもなくアメリカ独立宣言にかかわり、いまでは偽札が多い100ドル紙幣の顔となっているが、その多彩さはダヴィンチのようでもある。

カールは、ナイアガラの滝をヨーロッパに紹介し観光地としたことでも知られているが、植物ハンティングの旅は、5大湖周辺だけでなくモントリオール、ケベックなどをも探索した。

最大のプラントハンティングの目的であった、スウェーデンでの絹産業の振興は、持って帰った桑の木の種が育たないことで失敗したが、北米探検旅行の本はその後出版され、ドイツ語、フランス語、米語などに翻訳され、その当時の北米の動植物の世界と植民地の生活がヨーロッパに伝わった。

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