モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

オレガノ(Oregano)の花

2009-06-27 13:07:36 | その他のハーブ
(写真)オレガノの花
        

古代ローマの料理に関して唯一残っている書物というのある。
『アピキウスの料理書』といわれるものだが、アピキウスは、人生の最大の関心事は美味な食事であり、料理と食べる楽しみに没頭し美食家として歴史に名を残したが、わずかな宴会に一元首の収入に当たる額をつぎこんでいたので、借金で首が回らなくなったという。

『アピキウスの料理書』は、3世紀を過ぎるまでは誰にも知られていなかったようだ。記されたラテン語から4世紀後半に誰かによる編集でできたと推定されているが、この中に「オレガノ」が“ソースをおいしくするスパイス”として書かれている。

「オレガノ」「スイートマジョラム」は同じ属にある近縁のハーブで、“生なら「スイートマジョラム」、乾燥は「オレガノ」”といわれるぐらいイタリア料理に欠かせない。

違いは、「オレガノ」は樟脳のような香りとほろ苦い味がし、甘い香りで繊細な味がするマジョラムと比べると野性的でくせが強い。だから「オレガノ」のことを「ワイルドマジョラム」とも呼ぶのだろう。


「オレガノ」は歴史が古いハーブで、“幸せをもたらすハーブ”として尊敬されているが姿かたちに特色がなく、今的な言葉で言えばタレント性が感じられない。ストレートに言えば、山路にある雑草といったところが似つかわしい。

メキシコを含めて地中海性気候で育つハーブの印象として、派手系のメキシコ原産のハーブに対して小アジア・地中海沿岸のハーブは地味系が多い。

しかし、人間社会での有用性は薬草としても、香り付けの香草としても優れており、
見かけで才能はよくわからないということを地で行っている。

オレガノを形態で区分すると、3タイプがある。
オレガノの仲間3グループ
(1)オレガノ、ワイルドマジョラムと呼ばれるオリガヌム類(本稿)
(2)スィートマジョラムを代表とするマヨナラ類
(3)オレガノケントビューティなどの観葉植物のアマラクス類


一般的にオレガノと呼ばれるのは、
オリガヌム類のワイルドマジョラムであり、緑色の葉と野性的な香りがする。この香りには殺菌効果があるので食品の保存材としても使われてきた。また、ホップが使われるまでビールの苦味付けとして利用されていたという。

オレガノは、耐寒性があるので育てやすい。タネから育てる場合だけ注意が必要で、これは参考書を読んでいただきたい。注意点は、「オレガノ」は、直射日光に弱いため、陽に当たった葉は暗緑色となりとてもきれいとはいえない。半日陰などで直射日光を当てないようにして育てる。

キッチンハーブとして使う場合は、
オリガヌム種のグリークオレガノ(O.vulgare subsp.hirtum)がお奨めだが、育った苗には香りにばらつきがあるので、いい香りがするものを選んでこれを株分け、さし芽などで増やすと良い。

(写真)オレガノ立ち姿
        

オレガノ(Oregano)・ シソ科ハナハッカ属の耐寒性がある丈夫な多年草。
・学名は Origanum vulgare。英名がOregano、Wild marjoram、和名はハナハッカ。
・原産地は、ヨーロッパ南部からアジアの東部。
・草丈は、50~60㎝
・開花期は7~9月で円錐状の花穂は直立して白い花を咲かせる。ピンク、紫の花色もある。
・乾燥には強いが直射日光に弱く葉色が悪くなるので、場所に留意する。
・開花後枝を刈り込むと秋に新しい枝が出る。葉を増やすには刈り込むと良い。
・ミントのような香りがし、トマトとの相性がよいのでイタリア料理の必需品。

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