モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ヤシガニで泡盛

2009-06-23 18:05:06 | グルメ
神田錦町のとある地下一階に怪しげな店が月一回オープンになる。
その名は、八重山バー『こがめ』。
八重山といえば、沖縄石垣市の八重山諸島を指す。

そう、このバーは、沖縄八重山諸島の貴重な食材と八重山で作っている泡盛が楽しめる店で、月に1回だけオープンになる常識では成立しない面白い店だ。

先週の第三土曜日が今月一回だけのオープンであり、珍しいモノがあった。
西表島産の「ヤシガニ」だ。
名前は聞いたことがあり、硬い甲羅、凶暴な性格、夜行性ということは知っていたが姿かたちを見たのは初めてだ。

(写真)姿蒸しされた「ヤシガニ」


この貴重品の「ヤシガニ」の姿蒸しを6人ぐらいで食べてみた。
なるほど甲羅は硬くペンチで砕かないと開かない。
足の部分を分け合い食べてみたが、毛ガニよりも美味いと思った。
淡白でスッキリした味わいであり、植物性の餌を食べているせいかやさしさがあった。生臭さなど余分な雑味がなくこれまで食べたカニの中でも最高の味わいだった。

ミソがまた素晴らしかった。
コクがあり、柔らかく、口の中でパ~ッと広がるこの味は何なんだ?
と思うほどだった。

箸の先にチョッピリつけてなめ、泡盛をグビッと飲む。
最高級のウニを超える味が至福の感激をもたらす。 美味いものを食って幸せになれたのは久しぶりだ。

6人とも夢中で残すところ無くしゃぶりつくしたので、「ヤシガニ」も本望であったろう。なんて人間の屁理屈が顔をだすが、「ヤシガニ」はいざ知らず我々は感動ものだった。

(写真)「ヤシガニ」


「ヤシガニ」は、カニの仲間ではなく、ヤドカリの仲間で陸上の甲殻類では最大級の体格を誇るという。
ヤシの木に登ってヤシの実を落として食べるので「ヤシガニ」といわれるが、実は何でも食べる雑食のようだ。生息地域は、インド洋からミクロネシアそして八重山諸島までと非常に広い。
肢が10本で前の2本が巨大な鋏となっており、この破壊力はすごいという。何しろあの硬いヤシの実を破壊して食べるので挟まれたら一巻の終わりだ。

この「ヤシガニ」も生き難い時代になって来ているようだ。自然環境の減少と交通事故で頓死しているという。植物には庭という新しい環境が出来たので、ここに移転すれば生存できるが、動物・昆虫などは難しい。
いづれ、養殖などがされるようになると種は保存できるのだろうが、それまでが大変のようだ。

八重山でも貴重な名物料理のようだが、青い海と空の下でなく、地下のバーで食した「ヤシガニ」には、素直にその味で感動した。
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コモンマロウ(Common Mallow)の花

2009-06-23 08:18:28 | その他のハーブ
(写真)コモンマロウの花


梅雨の時期になると「コモンマロウ」の花が咲く。
赤紫色の花に濃い赤紫の模様が入り、この複雑さが魅力となっているが、何となくゼラニュウムに似たような模様がある。

イスラムの世界では「ウスベニアオイ」が「ゼラニュウム」に変身したという伝説があり、こんな印象を昔の人も持ったのだろうか?

「コモンマロウ」は、花以上にハーブとして愛されてきた。
葉や花は食用にされ、サラダ・ハーブティとして利用される。乾燥させた葉や花を煮出したものはのどや気管支などの痛みをとる効果があるという。

育て方はいたって簡単で、腐葉土を多くした土で栽培し、春先に株を新しくするために、古い株を剪定し新しい芽を伸ばすようにする。

(写真)コモンマロウの立ち姿
        

コモンマロウ(Common Mallow)
・アオイ科ゼニアオイ属の耐寒性がある多年草
・学名は、Malva sylvestris.L.。英名がコモンマロウ(common mallow)、high mallow、和名はウスベニアオイ。
・原産地は、南ヨーロッパ。
・草丈60㎝~100cmで、大柄な葉にはビタミンが豊富。
・開花期は5~8月。開花期に花と葉を収穫しハーブティーに利用する。レモンを入れると青からばら色に変化する。
・耐寒性強いので、戸外でも大丈夫。
・耐暑性やや弱い。鉢の場合は、マルチングし乾燥を防ぐ
・こぼれダネでふえ野生化しやすいので注意する。
・3月頃に、地上部10cm程度を残し剪定し株を若返らせる。
・さし芽でも増やせる。冬越しした株元近くの元気なわき芽をさし芽する。

        
<Contents of the last year>
属名のMalva(マルウァ)は、ギリシャ語でやわらかいという意味に由来し、薬用・食用で栽培されてきた。サラダにも良いそうだが、見た感じでやわらかいとは思えず、まだ食べたことはない。

この花は日本の風土になじんだ純和風の香りがするが、原産地は小アジア・ヨーロッパ南部で江戸時代にこの変種のゼニアオイが日本に入ってきたようだ。


近縁種のタチアオイ(=ホリホックHolly-hock)は、5万年前のネアンデルタール人の墓で発見された野草の中にもタチアオイの花があったぐらい古い歴史がある。

ヨーロッパには十字軍の頃に伝わり、日本にはもっと早くに、シルクロードを通り中国経由で入ったようだ。
敦煌130洞窟(366年からはじまる)の壁画にもタチアオイの1株が描かれているようであり、シルクロード経由で中国に伝来した裏づけとなっている。

和名のタチアオイは立葵と書くが、葵は、葉が傾いて日に向かい根元を日に照らさないように守るところからきており、知恵があって揆(はかる)=葵になったという。

徳川氏の家紋は“三つ葉葵”であり、由来は諸説あるようだがめでたい植物としての評価があったようだ。

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