モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

スカシユリ“エロディ”(Lilium 'Elodie')の花

2009-06-25 11:35:56 | その他のハーブ
(写真) スカシユリ“エロディ”の花


「スカシユリ“エロディ”」は、60㎝程度の茎の先に7個のつぼみがつき、6月になると美しいパールピンクで半八重咲きの花が順に咲き、庭のアクセントとして彩を豊かにする。

「スカシユリ」自体が園芸が盛んになった江戸時代に「エゾスカシユリ」と「イワトユリ」を交雑して作られた園芸品種だが、「スカシユリ“エロディ”」はそのハイブリッド品種となる。

その親の一つである「エゾスカシユリ」(Lilium dauricum Ker Gawl.)は、
北東アジア・北海道の海岸近くの砂地に生息し、オレンジ色に紫褐色の斑点がある10cm程度の花を上向きに咲かせる。
ヨーロッパには1830年代にシーボルトによってもたらされたようだ。

もう一つの親である「イワトユリ」(Lilium maculatum Thunb.)は、
日本の中部以北の沿岸の岩場・砂地に自生し、日本海沿岸では5月下旬から6月に開花し、太平洋沿岸ではこの1ヵ月後に開花する。赤味が入ったオレンジ色に赤褐色の斑点が入り12-13cmの花が上向きに咲く。
「イワトユリ」の学名は、1794年にツンベルク(Thunberg, Carl Peter 1743-1828)が命名者するが、種小名のmaculatumは斑点を意味する。
「イワトユリ」の別名は「スカシユリ」と呼ばれるが、野生種を「イワトユリ」、  園芸品種を「スカシユリ」 と区別して呼ぶ。


ヨーロッパをときめかした日本のユリ
ユリ属は、北半球の亜寒帯から亜熱帯地域に96種が分布し、日本にはそのうちの15種がある。ヨーロッパには12種ぐらいしかないので、中国・日本のユリがもたらした驚きは鮮烈だったようだ。
日本のユリは、幕末にシーボルトによってヨーロッパにもたらされ「イースター・リリー」として大流行した。
そういえば、バラの場合も同じような歴史があり、日本・中国の原種がユリ・バラの園芸品種の歴史を大きく変えることとなる。

<興味があれば以下を参照ください>
その45:西欧をときめかした日本のユリ①
その46:西欧をときめかした日本のユリ②シーボルトとカノコユリのストーリー

(写真) スカシユリ“エロディ”の立ち姿
        

スカシユリ・エロディLilium 'Elodie'
・ユリ科ユリ属の多年生の球根
・学名は、Lilium asiatic 'Elodie'。スカシユリの園芸品種。
・スカシユリは、エゾスカシユリとイワトユリの交雑で作られた園芸品種。
・草丈は、60‐80㎝
・開花期は6-7月。肉厚の花弁、パールピンク色のセミダブル八重咲き。
・日当たりの良い場所で、排水のよい土壌で湿り気味に育てる。

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