獣脚類を中心とした恐竜イラストサイト
肉食の系譜
太古レストラン酒場ダイナソー
恐竜倶楽部35周年事業・太古レストラン酒場ダイナソー食事会です。小田急江ノ島線大和駅前から3分。小田急マルシェの向かいにあります。
太古の恐竜肉。ドネルケバブのように薄切り肉を巻きつけたもので、牛肉に近い味の恐竜でした。
入り口でいきなり恐竜ロボがお出迎え。小さいのはモノニクス。肉食恐竜はどうもヘレラサウルスらしい。指が3本で比率とかいろいろあるが。
スケリドサウルスは、首の骨板が足りません。でもよくできている。
これはエオドロマエウス?顔はコエロフィシス?店内の壁に一応種類の説明があるが、いまいち対応がわからない。
同定できない謎の獣脚類。一見メガロサウルスか何かに見えるが、手がしっかり4本指。私の推理は、前肢が退化しそこなったアウカサウルスか。
スティギモロクか。大中小とあったのでドラコレックス、スティギモロク、パキでしょうね。
デイノニクスは目が光る。瞳孔の形が変わり、瞬膜も動くよ。
トイレから出るときにカーテンのような布にも恐竜骨格が。これはいいですね。
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サルミエントサウルス練習
竜脚類を描いたことがないので練習。
なぜ竜脚類をやっているのかというと、最近オーストラリアのディアマンティナサウルスの頭骨が記載され、その論文を見るとティタノサウルス類の頭骨が結構蓄積されてきているのがわかったから。
サルミエントサウルスは胴体がないので、最も近縁なディアマンティナサウルスを参考にしたいが首の長さはわからない。頭骨は派生的なティタノサウルス類とブラキオサウルス類などの中間的な特徴を示すらしい。
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ネメグト層は白亜紀末かもしれない
年代測定法なので古生物学というより地質学なのですね。このレーザー励起?マススペクトル等の分析技術を含めて地質学を知らない者が紹介すべきではない。恐竜に関係するので一瞥しただけである。
モンゴルのゴビ砂漠のネメグト層は、タルボサウルスやテリジノサウルスなど多数の恐竜化石を産する重要な化石産地であるが、絶対年代が定められていなかった。他の地層の脊椎動物相などとの比較から、相対年代としてカンパニアン末期ないしマーストリヒティアンといわれていた。恐竜の図鑑にもタルボサウルスは、北米のティラノサウルスよりも少し古い時代の動物です、と書かれている。
今回の研究で岡山理科大学の田辺らは、ネメグト層の年代測定を行うため、5本のタルボサウルスの歯化石を用いて、そのアパタイトのU–Pb同位体、希少元素分析などにlaser-ablation inductively-coupled plasma-mass spectrometry (LA-ICP-MS)という方法を組み合わせて解析した。その結果、最も保存の良い(二次的な元素分布の変化の影響を受けにくい)サンプルから、66.7 Maという値を得た。これまでの他の地層との比較による知見と照らし合わせると、ネメグト層の年代はマーストリヒティアンと考えられた。6600万年といえばほとんど白亜紀末期であり、北米でティラノサウルスやトリケラトプスが生息していた時代と変わらないことになる。タルボサウルスやデイノケイルスも、「最後の恐竜」だったのかもしれない。
恐竜アーティストとしては、モンゴルにおける恐竜時代の終焉に、タルボサウルスを描いてもよい、くらいのものであるが、ティラノサウルス類の進化史のシナリオには影響があるのかもしれない。ダスプレトサウルスに似た祖先が、北米からアジアに広がり、そこでタルボサウルスを生み出した。その後北米に凱旋したものがティラノサウルスになった、という説もあった。時代が同じくらいであれば、あくまで北米に留まって進化したのがティラノサウルスとも考えられる。ダスプレトサウルス・ホルネリのようなものからより直接に進化した可能性が高まるのではないか。
参考文献
Myu Tanabe, Kazumasa Aoki, Kentaro Chiba, Mototaka Saneyoshi, Shota Kodaira, Hirotsugu Nishido, Buuvei Mainbayar, Khishigjav Tsogtbaatar, Shinobu Ishigaki (2023)
Apatite U–Pb dating of dinosaur teeth from the Upper Cretaceous Nemegt Formation in the Gobi Desert, Mongolia: Contribution to depositional age constraints.
Island Arc Volume32, Issue1, e12488 https://doi.org/10.1111/iar.12488
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サルミエントサウルス
Copyright 2016 Martínez et al.
A: ギラファティタン、B: アビドサウルス、C: サルミエントサウルス、D: ネメグトサウルス、E: ラペトサウルス、F: タプイアサウルス。
サルミエントサウルスSarmientosaurus musacchioiは後期白亜紀セノマニアンからチューロニアン(Bajo Barreal Formation)にアルゼンチンのパタゴニア中部チューブート州に生息したティタノサウルス類で、2016年に記載された。ホロタイプ標本は関節したほとんど完全な頭骨と、部分的な頸椎である。
Bajo Barreal Formation の脊椎動物相は、やや古いパタゴニア北部のネウケン州のCandeleros Formation(ギガノトサウルスを含む)とよく似ているという。種不明のカルカロドントサウルス類の化石も見つかっている。
サルミエントサウルスの特徴は、眼窩が大きくその長径が頭骨長の40%に達すること、上顎骨と涙骨の関節が複雑で、涙骨が上顎骨の上行突起を挟み込むようになっていること、三叉神経の3つの枝がそれぞれ異なる神経孔から出ることなど9つある。その中で面白いのは、前上顎骨歯は垂直で、上顎骨歯は前傾procumbentしており、歯骨歯は後傾recumbentしていることである。このような歯の方向の組み合わせは、どの竜脚類でも知られていない。ディプロドクス、カマラサウルス、エウヘロプスでは上顎骨歯も歯骨歯も前傾している。これは化石化の過程での圧力によるアーティファクトではないかとも考えられるが、前上顎骨歯は垂直に保ちながら、上顎骨歯を前傾させ、歯骨歯を後傾させるような圧力は想像しにくいと述べている。また周囲に歪みや損傷はみられないという。
眼窩の大きさについては、ブラキオサウルス科のギラファティタンで21%、ブラジルのティタノサウルス類タプイアサウルスでは20%である。前期白亜紀のティタノサウルス形類アビドサウルスは35%で、サルミエントサウルスの大きさに最も近い。
サルミエントサウルスは、後頭顆の角度や三半規管の形状から、ディプロドクスなどと同様に吻を下方に向けた姿勢をとっていたと考えられた。このことから比較的丈の低い植物を採食していたと思われた。Bajo Barreal Formationからは針葉樹とともに被子植物の花粉の化石が発見されている。セノマニアン期は一般に被子植物が広がり始めた時期とされており、サルミエントサウルスもこれらの被子植物を採食していたと考えられた。
参考文献
Martínez RDF, Lamanna MC, Novas FE, Ridgely RC, Casal GA, Martínez JE, et al. (2016) A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. PLoS ONE 11(4): e0151661. doi:10.1371/journal. pone.0151661
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2023 新宿ミネラルフェア続き
ZoicにあったPaleopropithecusとかいう大型のキツネザル化石。
アフロヴェナトルの足の爪、50万円。白亜紀前期からジュラ紀中期になった件で年代が気になったが、ちゃんと中期ジュラ紀になっている。Afrovenator abakensis Callovian と書かれたラベルと、Afrovenator sp. Bajocian と書かれたものがあるので聞いたところ、微妙に層準が違うが推定方法が異なり、後者の方が新しい方法なので実は正しいのではないかと思っている、と言っていた。
中国遼寧省義県層のカエル、リャオバトラクス。
エルドニアにあるガリミムスの足。アルクトメタターサルのお手本。
なんらかの獣脚類の顎は、内側を見せてもらった。フランソワさんがいなかったので店番の方が照明を当ててくれた。歯間板が癒合していればカルカロドントサウルス類かアベリサウルス類かと思ったが、ほぼ失われていてわからないようだ。
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2023 新宿ミネラルフェア
住友ビル三角広場に移って2年目?かな。今回は隣のビルで、タイ料理のビュッフェが美味しかった。何しろメインの一品(麺類)を選ぶと、ガパオライスとタイカレー、サラダが取り放題なのでお腹いっぱいになった。
例年、獣脚類の歯や頭骨キャストなどを買うのが常なのであるが、今年は初日に化石もレプリカも買っていない。欲しいものはあったが微妙に高くて手がでない感じであった。また、手に入るはずだったものが手に入らなかったことで、精神的ダメージを受けた。
昨年池袋でエルドニアの3Dプリンターの頭骨レプリカを、売り切れだったので追加注文しておいたのが、なんと製作者の都合でキャンセルされた。12月の時点ではOKだったのに、突然3Dプリンターの模型は作らないと一方的に言ってきたとのこと。それはないだろう。消息筋によると、非合法がばれて訴えられたのではないかという。確かにいかにも出所が不明の、怪しい感じではあったが、出来栄えはよかったのに。。なんてこった。
Zoicは景気がよくて、昨年のシーラカンス類や両生類のノジュールは大体売り切れ。店頭に並んでいたのは、ペルム紀の爬虫類バラサウルスや中新世のボスニアのケロトリトンというサンショウウオだそうです。
またメソサウルスの博物館レベルの全身化石、白亜紀のワニ、カメ、カエルなどが所狭しと。
恐竜の段は、モロッコに代わりニジェールの恐竜、翼竜などで、スコミムス、アフロヴェナトル、ルゴプス、アトラサウルス、シロッコプテリクスとされる歯その他。私が注目したのは、フラビオさんがオススメしてくるアフロヴェナトルの爪、25万円。他にルゴプスの爪14万円もあった。
Eldoniaは、ティラノ歯などキャストも材料費の高騰で値上がりしていた。化石はいいものがあるが、良すぎて買えない。ガリミムスの頭骨は値札がない。左はオヴィラプトル類の足指、魚竜の頭骨もあった。魚類、両生類、哺乳類、アンモナイトなど何でもある。全身骨格キャストは翼竜だけだったか。
ケムケムの何らかの獣脚類の顎、20万円。獣脚類の歯としてはイギリスのWessex formationのものがあり、ネオヴェナトルという歯は午前中に売却済みだった。私が欲しいものはやはり10万以上だった。
Georgeさんの所の歯は、相変わらずティラノ、ゴルゴ、アルバート、ナノティランヌスなど。小型ではアケロラプトル、ペクチノドン、パロニコドン、他のドロマエオサウルス類など。私が欲しいのはマーショサウルスだったがちょっと買えない。
今回購入したのは、なんとイタリアのTrilobite design からプセフォデルマPsephoderma という板歯類の復元模型。何を買ってるんだ私は。しかしこれは、カメさん的なキュートさもあり、なかなか癒されるものがある。部屋に飾ると圧倒的な非日常感を楽しめる。
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恐竜博2023 2回目
2回目はGW明けてからゆっくり、という計画であった。
スケリドサウルスはやたら細かく観察して写真撮ったりして。なるほど首の4列のトゲのあと、肩のところは1、2と小さくてその後の3番が再び大きくなり、4、5とそれなりに小さくなる。太もものヨロイは4〜5列くらいか。
ズール対ゴルゴの骨格は、後ろから見ると背景が森になっているのが良いですね。情景が浮かび上がります。そしてスロープを降りて前の方に回ると、さらに大迫力のアングルとなる。よく考えられている。
前回はズール対ゴルゴの絡みはいくつも撮ったが、ゴルゴ単品の絵は撮っていなかったのでそれを撮った。
やっぱりスコッティの方がいいな。この重厚な感じが。隣にいたご夫婦もスコッティの方がいいと言っていた。
3Dペーパーパズルは、マイプではなくゴルゴサウルスを購入。写真と組み立て見本を見て感じたのは、顔にちょっと違和感がある。吻の部分と眼窩の間に段差があるのである。これは、吻はかなり幅が狭いが眼窩から後頭部にかけてはそれなりに幅があるから、ティラノサウルスの場合は眼窩を斜めにしてつなぐところだろう。しかしゴルゴは眼窩がより横向きだから、幅が広い部分に組み込んだと思われる。実際はこのような段差はないので、そこがもうひと工夫かな。ペーパーパズルとしての設計上、難しいところかもしれない。デザインする方も大変ですね。全体としてはいいと思ったので購入したわけである。
スケリドサウルスはやたら細かく観察して写真撮ったりして。なるほど首の4列のトゲのあと、肩のところは1、2と小さくてその後の3番が再び大きくなり、4、5とそれなりに小さくなる。太もものヨロイは4〜5列くらいか。
ズール対ゴルゴの骨格は、後ろから見ると背景が森になっているのが良いですね。情景が浮かび上がります。そしてスロープを降りて前の方に回ると、さらに大迫力のアングルとなる。よく考えられている。
前回はズール対ゴルゴの絡みはいくつも撮ったが、ゴルゴ単品の絵は撮っていなかったのでそれを撮った。
やっぱりスコッティの方がいいな。この重厚な感じが。隣にいたご夫婦もスコッティの方がいいと言っていた。
3Dペーパーパズルは、マイプではなくゴルゴサウルスを購入。写真と組み立て見本を見て感じたのは、顔にちょっと違和感がある。吻の部分と眼窩の間に段差があるのである。これは、吻はかなり幅が狭いが眼窩から後頭部にかけてはそれなりに幅があるから、ティラノサウルスの場合は眼窩を斜めにしてつなぐところだろう。しかしゴルゴは眼窩がより横向きだから、幅が広い部分に組み込んだと思われる。実際はこのような段差はないので、そこがもうひと工夫かな。ペーパーパズルとしての設計上、難しいところかもしれない。デザインする方も大変ですね。全体としてはいいと思ったので購入したわけである。
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恐竜博2023 (2)
スキピオニクスの実物化石を見られたことは大変な幸運で、感謝しかない。よくミネラルショーなどで販売されているレプリカは濃い茶色で塗られていたりするが、本物はこんな色なのかと。ただし既に詳細なモノグラフが出ているので、素人としてはパネルの説明を信じるしかない。腸のヒダや爪のケラチンなどはわかりやすいですね。歯の状態もわかる。カルカロドントサウルス類の幼体かもしれない可能性についても、ちゃんと書いてある。
今回、ティラノサウルスは主役ではないのだから、スコッティだけで十分であり、タイソンは必要なかったと思うがいかがだろうか。恐竜ファンとして許せない言動だろうか。そもそもティラノサウルスを特別視し、集客力のためにはティラノサウルスが必須であるとか、ティラノサウルスの新しい標本を出せばみんなが喜ぶとか、そしてその通りになる風潮がおかしいのである。
私はスコッティの方が安心感があるし、良いと思った。以前にもこの角度で撮影したが、飽きないですね。
休憩所につながる所の展示ではレーザー励起蛍光法の研究成果がある。私はプシッタコサウルスの「へそ」がよくわからなかった。該当部位が線で囲んであるが、どういう構造が見えればヘソと判断できるのか、のイメージがないので、これではわからない。孵化したばかりの爬虫類に「へそ」があることは知っている。卵黄嚢のなごりか管状の組織があるということだろう。
このカルノタウルスの全身骨格は後肢が長いタイプのものですね。現在は修正されている。しかしこれを見て、「こんなに脚が長いのか」と、脚の長さにいたく感心している中年男性がいた。手の新しい復元について、何を根拠にどのような解析をした結果、この指をすぼめたような形が結論されたのか、が説明されていない。おそらく未発表などの理由で詳細は書けないのかもしれない。
はっきり種名が表示してあるのに、説明をほとんど読まないお客さんが多い。メガラプトルの全身骨格の手前にマイプの実物化石が置いてあるので、メガラプトルの骨格をマイプだと思った人もいたようだ。今のところマイプの復元はできないので、メガラプトルのイメージで想像するしかないので、この展示の仕方は適切だが、それがアダになったか。
マイプの特徴はこの辺ですね。尾椎の神経棘。やはり頭骨もカギ爪も見つかっていないものを、最強の捕食者と持ち上げることにいささか無理がある。「長さ何センチの歯がズラリと並び・・」とか「カギ爪はメガラプトルの1.5倍もあり・・」と具体的に書けないのだから、限界がある。
最後の大量絶滅の考察のところで、解説パネルを熱心に読んでいる中年女性がいた。「北米での壊滅的打撃に比べると南半球の環境変化は異なっていた可能性がある。アルゼンチンで発見された植物化石は・・・グローバルな環境変化の様相を解明するため、今後もデータの蓄積が必要である。」的なやつである。研究者的には普通の文章で問題ないように思える。ところが、その女性は「もう少し一般人にもわかるような書き方はないのかしらね。」と言っていた。どこかのブログではなく、博物館の展示でもそうなんだなという感じである。言語空間というものは難しいものだと感じた。
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