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肉食の系譜
ゴルゴサウルス1

一般にゴルゴサウルスはアルバートサウルスと比べてやや小型でほっそりした体型といわれている。ゴルゴサウルスのイメージといえば、例えばグレゴリー・ポールの「恐竜骨格図集」にある“アルバートサウルス”・リブラトゥスの図(アルバートサウルスと同属とされていた時期なので、これがゴルゴサウルス・リブラトゥス)で、これは比較的ほっそりしている。またScott HartmanのSkeletal Drawing. comというサイトにはゴルゴサウルス・リブラトゥスの骨格図・復元図があるが、確かにスレンダーな体型である。ただしこれは全長5.1mの亜成体TMP 91.36.500の全身骨格である。ここでほっそりとかスレンダーとかいうのは、体の各部の比率(プロポーション)のことで、頭が小さめ、頸が長め、胴が細め、後肢が細長い、といったことをさす。
今年の恐竜博に展示されたゴルゴサウルスの全身骨格は、ゴルゴサウルスとしてはかなりがっしりした体型にみえる。これはモンタナ州トゥーメディシン層から発掘され、ブラックヒルズ地質学研究所によって復元され、2004年に公開されたもののようである。全長7.3mの保存のよい全身骨格で、現在ゴルゴサウルス属の未同定種Gorgosaurus sp.とされている。この個体は想像していたよりも頭が大きく、頸が短く、胴が太い、がっしりした体型で、スレンダーとはいえないだろう。ティラノサウルスの成体をそのまま小型にしたような体型で、スタンのような「スタイルのよい」ティラノサウルスの復元骨格に比べてむしろずんぐりしている。ティラノサウルス類の体型は成長過程で著しく変化するとされているので、ゴルゴサウルスといえども成熟した個体はそれなりにがっしりした体型になるということなのであろう。この個体の体型は、大型のアルバートサウルスの体型と比べるとどうなのだろうか?あるいはこの新種かもしれない未同定種の特徴なのだろうか。
この標本は涙骨の突起の形が右と左で少し違って見えるが、左側をみると突起がなめらかで前後に長くなっており、成体の特徴らしい。
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