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丸ビルでアクロカント(その2)

(文章が急に常体になるが、気にしない。)
 ところでこのアクロカントサウルス骨格は、Currie and Carpenter (2000)の研究に基づいて作製されたはずである。頭骨もその通りになっている。後眼窩骨の眼窩内突起intraorbital process (iop)はあまり目立たない角(カド)になっている(ピンクの矢印)。涙骨側の突起の方が目立つ感じである。一方、最新の研究(Eddy and Clarke, 2011)では眼窩内突起はかなり複雑な形となっている(下図、前の記事の頭骨全体図も参照)。論文にもあまり詳しくは書かれていないが、母岩に埋まっていたということか。反対側の後眼窩骨や他の標本では壊れているとある。





 また、皆さんはちゃんと左右両側から観察されただろうか。
上顎骨の前眼窩窩にはpromaxillary fenestra とmaxillary fenestraの他に余分のaccessory fenestra (foramen) がある。promaxillary fenestra とmaxillary fenestraは左右で同じ位置にあるが、accessory fenestraの位置は左右非対称である(写真と図)。このような頭骨の含気孔の非対称性は、獣脚類では珍しくなく、シンラプトルにもみられるという。










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