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肉食の系譜
福井でコンカベナトール:特別展「スペイン奇跡の恐竜たち」その1
コンカベナトール、コンカヴェナトール、コンカヴェナトル
このサイトでこれまで「ヴェナトル」を使っているのは、最初にアフロヴェナトルとしたので統一するためで、大した意味はない。その時の理由の一つは、「ベ」よりも「ヴェ」の方が響きも良いし、原語の綴りに忠実ということである。もう一つは、raptor は「ラプトル」で「ラプトール」とは呼ばないのに、venatorは「ベナトール」と伸ばすのはこれいかに、ということである。おそらく最初は「アフロベナトール」が日本に紹介され、その後シノベナトール、ネオベナトールなどと踏襲されたのだろう。アルバートサウルスが未だにアルベルトにはならないように、最初に紹介された時の印象はそれほど強力ということだろう。まあ図鑑などあらゆる媒体でベナトールが定着しているのであれば(多分そうだろう)、ベナトールにするかな。(たまたまスペイン語ではvは「ベ」なのでスペインではベナトールかもしれない。)
コンカヴェナトルについては2010年に記事を書いていて、早く見たいと思っていたが、意外と早く会えたというのが今回の感想である。これも日本/スペイン交流400周年のおかげということで、大変ありがたい。こんなとてつもなく貴重な標本を、門外不出のホロタイプを日本で見られるとは。肉食恐竜好きの人は是が非でも福井に足を運んで、実物を見ておかないと一生後悔するであろう。もちろんコンカヴェナトル以外にも、スペインでも公開されていない化石が一堂に介しているということで、必見である。
今回は展示解説ツアーにも参加させていただいた。樹脂で固めて石灰岩を酸で溶かすというクリーニング手法のため、ペレカニミムスのとさかやのど袋の痕跡は失われたという話はショックだった。それ、将来的には解析可能なタンパク成分とかがあったのでは‥‥。アメンボのようなナナフシとか、保存の良いトカゲ、乱流を抑える小翼羽、など自分だけでは見逃しそうなポイントが学べて有意義だった。


全身復元骨格は、今回の企画で福井県立が製作したということで、これ1体しか存在しないそうである。恐竜議連にはたらきかけて、外務省の予算でもう1体作り、スペイン側に寄贈するのが日本/スペイン友好のためになるような気がしますね。


分かりやすすぎるくらい、しっかり特徴が反映されている。左右の尺骨とも、かすかな羽軸こぶが作られている。そのへんは抜かりありませんね。
歯は少し長めに作られている気もする(とくに下顎)。しかしまあ、よくできている。
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