時の経つのは早いもので、私が相変わらずの忙しさにもみくちゃにされている間に、プロ野球交流戦は終わり、ウインブルドンではナダルがフェデラーの5連覇を阻止し、厳戒態勢の洞爺湖サミットもその成果がよくわからぬまま閉幕となってしまった。
でも、まだ梅雨は明けないらしい。
で、うなぎである。
この数週間、私はうなぎを食べたいという欲求が強かった。
それは財布を拾ったとか、宝くじが当たったとか、うなぎが値下がりしたとかではなく、まして今話題になっているうなぎの産地偽装問題を解明したいわけでもない。
恐らく、暑さが本番になってきたことで、それを乗り切るため精力の付くものを食べなければ獲物が、いや、仕事がうまくこなせないという動物としての本能がそうさせたのだと思う。
最初は国分寺駅ビル最上階のレストラン街の和食屋へ。
蒲焼きランチが¥1,400なんぼという手頃な価格だったので注文してみた。
すると、女店員が小さな声で「実は中国産なんですけどよろしいですか」と聞いてきた。
私は一瞬躊躇したが、うなぎを食べたい欲望の方が勝ち、「ああ、いいですよ」と答えてしまった。
ま、実物を見てみてもそれがどこ産であるかなど私にわかる訳もなく、油ののったうなぎをおいしくいただいた。
2度目は地元吉祥寺の老舗、三浦屋そばのうなTへ。
ここは相当古くからある小さな店で、以前にも何回か入ったことがあったが今回は10年ぶりぐらいであろうか。
扉を開けると店内はランチの客でほぼ満員で、いつの間にか改装したらしく小奇麗になっていた。
私はランチのうな丼(¥980)を注文。
店員のおねえちゃんが厨房に向かって大きな声で「どん一丁!」と告げると、板前が「どん?どんじゃ、わからーん」とかえってくる。
店内を見渡すと、客の表情が牛丼屋や立ち食いそば屋とは違ってにこやかで、料理を待つ余裕が感じられた。
で、私のランチが到着。
ううむ。
ちょっとうなぎちゃんが小さいんでないかい。
それは想像したより3.5割ほどの大きさでちょっと残念だったが、¥980(お吸い物、お新香付き)という値段ではしょうがないとあきらめ、食べ始める。
うまい。
なりは小さいがしっかりとした味でとてもおいしかった。
で、3度目が今晩。
前回うなTで大きさに不満があったので今回は値段に糸目をつけず(一応¥2,000まで)、事前調査の結果ロンロン地下の味のM川に行くことにした。
さて、実際にショーウインドーを見てみるとうな重が数種類、うなぎを含む定食が数種類あるのだが、¥2,000では「松」のうな重(¥1,890)しか注文できないことが判明、でもここまで来たのだからとそれを頼む。
ビールを飲みながら待っていると「上」が運ばれてきた。
おっ?
もしかしてサービス?
なあんて思ったが、すぐにおじさんが「間違えました」と持って行ってしまう。
で、さらに3分。
ようやく私の「松」が到着。
おお!これこれ。
厚みがやや薄いような気もしたが、それはまさに形も大きさも正真正銘のうな重で、小さな肝吸いも付いている。(ほかにお新香付き)
山椒をかけ、さっそく食べてみると、味もまさに思ったとおりのうな重で、パクパクパクパクとあっという間に完食してしまった。
さて、次はどこで食べようか?予算はもう少し増やした方がよいのだろうか?
そのためには本を買うのをしばらく我慢しようか、等々さまざまな思いが私の脳裏を駆け巡った。