6月初旬に、ごぢゃるさんという方に「猫の便秘には最近発売された“ロイヤルカナンの消化器サポート(可溶性繊維)”がいいかも。うちはこれでかなりよくなった」というアドバイスをいただき、すぐに購入した。
週1どころか、10日に2~3回くらい、ウンチを絞り出してもらうために通院するのはけっこうしんどいし、ボッチも苦しかろうから、フードにも頭を悩ませていたところだったのだ。
即、消化器サポート(可溶性繊維)2kgを注文。
その後、そのフードが届く前に、一度だけボッチを連れて通院した際、和光の先生が「最近、猫の便秘にいいフードが出たようで、メーカーさんが持ってきたので、試供品をあげましょう」という。
見たら、ロイヤルカナンのそれだった。何となく「知っています。もう買いました」と言いそびれ、500g入りをそのままいただいてきた。
袋の説明書きには、
●高消化性
消化能力の低下を考慮し、必要な栄養素の摂取を確保するため、
高消化性の原 材料を使用。
●可溶性繊維
便秘の猫のために、粘滑性を高め糞便の通過を容易にする目的で、
可溶性繊維とサイリウムを豊富に配合。
と書いてある。
ボッチはこれをよく食べる。嗜好性が高いのだろうが、水もよく飲むので、きっと味が濃いのかもしれない。
よく食べ、よく飲み、毎日排泄するわけではないが、何日かに一度、見事なブツをするようになった。何匹も猫を飼ってきたけれど、猫のウンチとしては、初めて見る黄褐色のブツ。
消化器サポートをあげ始めて1カ月以上。念のため、流動パラフィンはなくなったら買いに行くつもりだが、ウンチ絞りに通院する必要がなくなり、ボッチも出すとスッキリした様子で部屋を駆け回るので、心底ホッとしている。
ごぢゃるさんには感謝である。
先日、父から荷物が届いた。ガムテープをベリベリとはがし、蓋を開けてみるとワープロで作成された手紙らしきものが。
「暑中お見舞い申し上げます
昨年来、いろいろお協力お礼申し上げます。
29日、理科大の分が漸く済み、やれやれでした。丁度、深夜サッカーの日で、
その後のTVの“コマーシャル”をウトウトしながら見て、ついその宣伝のうまさに乗った感じ。
①“オーキングシューズ”試用してみて下さい。
②“タマゴッチⅡ”も同じ。後で説明によると、強力な磁石の作用のようです。
③“エステローラー”も同じく。
みなどれも本当に“コマーシャル”通りの効用が得られるものか、是非お知らせ下さい。
酷暑中も、相変わらずの健昌をお祈りします。」
と、かように書かれていた。
「オーキングシューズ」というのは、多分「ウォーキングシューズ」の誤りだとすぐに分かったが、「タマゴッチⅡ」って何? なぜ私にタマゴッチ…。
と思って、ワラワラ開けてみると、それは「ユビタマゴⅡ」と名づけられた、卵型の美容・健康器具だった。
パカッと上半分の蓋を開けると、360度回転する小さなボールが3つ。その内部には磁石が内蔵されているらしい。
それを顔やら肩やらに軽く押し当ててグリグリすると、こりがほぐれたり、血行がよくなって、顔の場合はシワやたるみがなくなってくるそうだ。
エステローラーはいま盛んに宣伝している、ハンドマッサージ用の棒状の美容器具で、これで顔のアチコチをコロコロすると、シワやたるみが目立たなくなるらしい。
そんなに娘のシワやたるみを気にしてくれていたとは…。
というより、父よ、私の顔はそれほどシワやたるみが目立つのか…。
ウォーキングシューズはYONEXという有名メーカーのもので、色もステキで、履いてみたら誠に軽くて履きやすい! 犬の散歩用に選んでくれたものと思うが、草むした河川敷で履くにはもったいないくらい、いいものだった。
イマイチ詰めが甘い父は、お買い上げ明細まで同封してしまっており、それを見るとウォーキングシューズは1万4000円近くする。
手紙にあるように、その日、自分が製作している機械が理科大に納品できたので、多分、気が大きくなっちゃったんだな。
お酒を飲みながら、夜中の通販番組など見ると、ついこういうことになりがちである。
父は今年80歳になったのに、理化学バイオ機器のメーカーとして現役で仕事をしている。まあ、自営業なので定年はないのだ。
仕事はするが、たいそう好き勝手に生きている人で、とても80歳とは思えないほど落ち着きがない。言葉も一度間違って覚えると、なかなか修正がきかない。それは老人力がついたからではなく、むか~しからである。
お礼の電話をしたら「“タマゴッチ”は磁石の効力があるらしい」などと言っていたので、「違うよ。あれは“ユビタマゴ”って言うんだよ」と言うと、「そうかい?」と落語に出てくるはっつぁんみたいな受け答えをしていた。きっと一生あの「ユビタマゴ」のことを「タマゴッチ」と言い続けることだろう。
宝の持ち腐れにならぬよう、そして本当にCM通りの効果が得られるものかどうか、父に報告するべく、使わせていただくことにしよう。
グリグリ、コロコロ…。