同じフリーライターのノリ子さんとは、ある官庁の広報誌の仕事で知り合い、今回も同じ雑誌の仕事をした。官庁の広報誌では、もうひとり、ユカリさんというフリーライターと一緒に仕事をし、個性の違う3人が自らを「三人官女」と呼び、定期的に飲み会をしたり、電話で気ままなおしゃべりを楽しんできた。
ユカリさんは真面目で素直、そして聞き上手。ノリ子さんは大きな出版社での編集経験もあるからか物知りだし、海千山千といった頼もしさがある。
「三人官女の会」を重ねるごとに気が置けない間柄となり、お互いに「ここはこうしたほうがいいのではないか」とか「そういう態度はよくないんじゃない?」などと言い合える仲になった。それぞれが自分には耳の痛いことでもきちんと耳を傾け、話し合うことができることは、とてもステキなことだ。
フリーランスなので、取材や打ち合わせ以外は基本的に自宅作業。同じ媒体の仕事をしていても、それぞれに違うページを担当しているわけだから、お互いに会うことは少ない。けれど、ときどき一緒に飲んで近況報告をしたり、本音をぶつけ合ったり。
今回の雑誌の仕事ではノリ子さんと毎日のように電話で長話をしていた。いっぱいメールも来た。そのつど思ったことやお互いのページ構成について感じたこと、一緒に撮影をしたときの感想などを述べ合い、最終的にさらにお互いの理解を深め合うことができたことは、大きな収穫だった。ちゃんと意見を聞き合うという姿勢が心地よい。
さらに今回は、執筆やアドバイザーとして加わった藤田千恵ちゃんと再会でき、数年間疎遠だったことの意味も分かり安心できたうえ、千恵ちゃんとノリ子さんが最終的には分かり合えたたことも、私にはとてもうれしかった。
千恵ちゃんとノリ子さんは、初めは何となくお互いの歯車が噛み合わない様子だったけれど、入稿の頃には相手への誤解もすっかり解けて、千恵ちゃんは「ノリ子さんの冷静な物の見方やあっけらかんとシニカルな発言をしながら励ましたり、慰めたりしてくれた彼女からのメールにはとても救われた」と言っていた。
いいなあ、こういう関係って。フリーランスだから経験する、苦い思いも分かり合えることは心強い限りだと思う。
三人官女の飲み会には、カメラマンさんやデザイナーさんが加わることもある。官庁の広報誌の仕事では官僚の態度には腹が立つことばかりだけれど、この仕事で付き合いが密になったことが収穫だったと口ぐちに言う。本当にそう思う。
10月の初めに行った蔵元さんの取材はカメラマンの圭子さんが撮影を担当してくれたのだが、車中で圭子さんや千恵ちゃんそれぞれのパートナーの話でいきなり盛り上がり、とても楽しい道中となった。もちろん千恵ちゃんの紹介してくれた蔵元さん、稲葉酒造場さんが素晴らしかったことはいうまでもありません!(このお話はまた後日、きちんと記しておきたいと思っている。)
圭子さんはブログにも、立ち寄った筑波山麓のお蕎麦屋さんでのひとコマを美しい写真で残し、楽しかった一日を記録していた。
ノリ子さんと千恵ちゃんとは打ち上げを兼ねて、低山ハイクに行こうかという話をしている。今のところ高尾山が有力候補。ヒマラヤ登山を3回も経験している千恵ちゃんが「高尾山はいい!」とノリノリの様子。ノリ子さんは山歩きは久しぶりだから、彼女曰く「私はリハビリ」(笑)。
千恵ちゃんは日本酒の専門家らしく「オススメのお酒を持参する」とか「麓の美味しいお蕎麦屋さんを知っているから、帰りにそこで一杯やる」などの計画を伝えてくれ、私はそれを楽しみに仕事に励んでいるといった感じだ。
三人官女のひとりであるユカリさんとも雑誌校了後、飲み会の約束をしており、そちらも楽しみ。それぞれフリーランスだから一匹狼なのだけど、分かり合える同業者がいることはとても支えになります。