トチが幼犬の頃から可愛がってくれていた友人達にメールで、とうとうクリも逝ってしまったことを伝えると、カヌー仲間だったモラさんはブラジルからわざわざ電話をかけてきてくれ、ある雑誌の取材で3頭の素晴らしい写真を撮ってくれたカメラマンのカサハラさんは、再びその中の写真を大きめにプリントアウトして送ってくれ、私の著書である犬本の編集者であるサトウくんは「みんな、愛情をもって育てられて幸せだったんじゃないかな。オオタケさんほど、正しい意味での愛情を犬にあげている人を僕は知りません」という身に余る賛辞を贈ってくれた。
ピッコイ&アユンギ母はピッコイを亡くしたときの辛く苦しい経験から「何をしていいのか、家の中でやることがなく、途方にくれてしまう今のオオタケさんのことが痛いほど分かって、息ができなくなりそうです」と伝えてくれた。
電話を切り、写真を眺め、メールでの慰めを読み、そのつどとめどなく涙がこぼれた。皆さん、有難う。心から感謝しています。
『「犬といっしょに~」』はサトウくんが編集を担当、天使のブナのイラストを送ってくれたゼンヨージ画伯が装丁&イラストを担当してくれた著書で、これを書いたとき3頭は元気で、トチはまだ8歳だった。
カサハラさんが改めて送ってくれた3頭の写真。こういった素晴らしい写真を残してもらえて、本当に有難いと思っている。
ブナに話しかければ応えるように私を見上げ、
クリに話しかければ振り向いて返事をし、トチは
みなを守るようにいつも静かに後ろから付いてきた
離婚して3頭を引き取り、どんなに大変でも1頭たりとも手放すまいと頑張ってきた12年間、最期まで看取ることが私の役目だと思って3頭と心を通わせた日々、かけがえのない時間だった。友人知人、周りの人達の支えがあったからこその幸せな時間でした。