小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

幸せだった犬たちとの暮らし

2013-04-13 | 犬&猫との暮らし

 トチが幼犬の頃から可愛がってくれていた友人達にメールで、とうとうクリも逝ってしまったことを伝えると、カヌー仲間だったモラさんはブラジルからわざわざ電話をかけてきてくれ、ある雑誌の取材で3頭の素晴らしい写真を撮ってくれたカメラマンのカサハラさんは、再びその中の写真を大きめにプリントアウトして送ってくれ、私の著書である犬本の編集者であるサトウくんは「みんな、愛情をもって育てられて幸せだったんじゃないかな。オオタケさんほど、正しい意味での愛情を犬にあげている人を僕は知りません」という身に余る賛辞を贈ってくれた。

 ピッコイ&アユンギ母はピッコイを亡くしたときの辛く苦しい経験から「何をしていいのか、家の中でやることがなく、途方にくれてしまう今のオオタケさんのことが痛いほど分かって、息ができなくなりそうです」と伝えてくれた。

 電話を切り、写真を眺め、メールでの慰めを読み、そのつどとめどなく涙がこぼれた。皆さん、有難う。心から感謝しています。

              

 『「犬といっしょに~」』はサトウくんが編集を担当、天使のブナのイラストを送ってくれたゼンヨージ画伯が装丁&イラストを担当してくれた著書で、これを書いたとき3頭は元気で、トチはまだ8歳だった。 

        

        

 カサハラさんが改めて送ってくれた3頭の写真。こういった素晴らしい写真を残してもらえて、本当に有難いと思っている。 

        
        ブナに話しかければ応えるように私を見上げ、
         
        クリに話しかければ振り向いて返事をし、トチは
        みなを
守るようにいつも静かに後ろから付いてきた

 離婚して3頭を引き取り、どんなに大変でも1頭たりとも手放すまいと頑張ってきた12年間、最期まで看取ることが私の役目だと思って3頭と心を通わせた日々、かけがえのない時間だった。友人知人、周りの人達の支えがあったからこその幸せな時間でした。             

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大量出血のわけ

2013-04-13 | 犬&猫との暮らし

 火葬の朝までに4~5回、クリの顔の下に敷いていたペットシーツを変えてやらなければならなかった。なぜ、こんなに鼻血が出るのだろう。しかもまだ生きているかのような鮮血だ。

 クリちゃん、どうしたの? どこが辛かった?

 酒井先生に聞いてみたくて電話をしたが、すでに診療中だったのでそのまま電話を切った。

 車に乗せる前にきれいに拭いてやり、鼻の脱脂綿を詰めてやったのに、車に乗せた際に顔を動かした途端にまたバアーっと鼻血が出て、下にしていた左の鼻から脱脂綿まで流れ落ちてしまった。一緒にクリを運んでくれていた妹もパートナーのOクンもびっくりしている。

 納得できない気持ちのまま、クリとお別れしなくてはいけなかった。

 東京家畜博愛院には昨年11月半ばに見送った妹たちの飼い猫パンチを入れると5カ月の間に3回も通うことになってしまった。ブナを看取って3カ月も経たないうちにクリを見送ることになるなんて……。クリには飼い主を一人占めできる1頭飼いの贅沢な時間を、もっともっと味あわせてあげたかったのに。

 骨壷に入ったクリを連れて帰り、トチとブナの横に並べてやる。ガランとした家の中の冷たい空気感が辛くて、用もないのに買い物に出たりした。酒井先生の手が空きそうな時間まで間が持たないのだった。

 夜、診療終了時間間際に、クリの大量の鼻血について先生に話を聞くことができた。クリは至るところに腫瘍をもっており、顔面も右半分が不自由な状態になっていたが、実際に診察したわけではないので断言できないけれど、胃か脳からの出血ではないかということだった。

 もし肺に水やそれだけの血が溜まっていたら、もっと喘いで苦しがっていただろうとおっしゃった。胃に腫瘍があって、それが嘔吐の原因だったかもしれないし、鼻の奥、顔面のどこかにメラノーマの転移や再発があって副鼻腔に血が溜まっていたかもしれない。最後の頃は右前肢も動きがおぼつかなくなっていたから、運動神経に影響を与える脳の部分に何か異常があったかもしれないということだった。

 あまりにも大量の出血だったので痛々しくて、切なかった。

 でも11日に会った友人が言葉を選びながら「亡くなる前じゃなくてよかったんじゃないかな。もし、まだ生きているうちにそんなに出血したら、クリちゃんはきっと苦しかっただろうし、ミホちゃんも大変な思いをして苦しかったと思う」という内容の言葉をかけてくれた。 

 ああ、その通りだ。その言葉にどれほど救われたことか。理由はどうあれ、もしまだ生きているうちだったら、クリは息ができなくなるくらい苦しかったろうし、私も対応ができずパニックになっていたかもしれないもの。

 こんな小さな体から、こんな血を流すなんて……、クリの頑張りを思うと泣けて泣けて仕方がなかった。最期まで私が楽になる道を選んでくれたクリ、もう一度、思い切り抱きしめてやりたい。         

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おなかの張りと鼻血と

2013-04-13 | 犬&猫との暮らし

 クリが少しでも口にしたものは、すぐに多めに買い出しに行き、特別療法食も高栄養食も切らさないように買い入れていた。まさかあれほどすぐに「もう、これはいらない」ということになるとは予想できなかった。いつも期待だけが先走ってしまっていた。

 多めに取り寄せて、それが届いた頃には「それはもう食べたくない」というものもいくつもあったのに、そのときは夢中だったから気にも留めずに同じことを繰り返していた。

 残ってしまった大量のおやつや普通のフードは、子犬が2頭増えた赤木さんに「ゲンとキーには生後6カ月を過ぎてから与えるようにしてください」という但し書きを付けて送り、特別療法食やブナ、クリに投与しきれずに残ったさまざまな薬は、酒井先生に使ってもらうことにした。

 クリが亡くなった9日の夜、手提げ用紙袋に満杯のそれらを持って酒井先生に報告にいった。

 最期まで水を口にしたことを告げると、「それは珍しいことで、苦しみや痛みがなかったから受け入れられたのだと思います」とおっしゃった。苦しみや痛みがなかっただろうことだけでも救われる。おなかの張りは「腹水の可能性もありますが、おなかが鳴り活発に動いていたことから察すると、おそらくガスが溜まっていたのでしょう」と。

 そうか、だから排便して、朝にはおなかの張りも減っていたのね。

 先生にクリの抗てんかん薬も血栓予防の注射薬も吐き気止めも、すべて渡して帰って来たのに、そこに横たわっているクリが亡くなっているにもかかわらず、存在を目にすれば「あっ、薬の時間だ」と慌てたり、水を飲ませようと注入器を用意してしまう自分がいた。

 冷たくなった頭をなでてやりに行って気付いた。顔の下に敷いてやっていたペットシーツに血が滲んでいることに。
 ウンチやオシッコはもう出尽くしていたようで、お尻の下のペットシーツは汚れていなかったが、クリは鼻血を出していた。亡くなってから10時間余り、トチもブナも鼻血を出すことはなかったのに。慌ててシーツを替えてやったが、クリはそれ以降、大量に鼻血を出し続けたのだった。

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