小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

自然農法家の須賀さん親子

2010-01-09 | 旅先でのお話

 6日、埼玉県上里町に住む自然農法家、須賀一男さん・利治さん親子を取材で訪ねました(写真撮影/カメラマンの沢海さん)。
 一男さんは自然農法ひとすじに50余年。有吉佐和子著『複合汚染』にも登場する、無農薬・無肥料で栽培する自然農法の先駆的存在です。

 昭和8年生まれの一男さんは江戸時代から続く農家の8代目。幼い頃から病気がちで、体はあまり強いほうではなかったといいます。高校卒業後にすぐに就農したのですが、農作業はひどく身にこたえたそうです。
 当時、須賀さんの家では養蚕と米麦栽培を行っていたのだけど、常に体調は思わしくなくて、医者にも見放された形になったのでした。

 さまざまな健康法を試すうちに食物が健康に与える影響を知り「医食同源」「身土不二」に基づいた自然農法に取り組むことを決心したのだとか。9代目を継いでいる長男・利治さんが産まれた昭和32年、本格的に無農薬・無肥料による栽培を開始。
 「植物が朽ちてバクテリアや土壌生物によって分解された自然の土には力があります。そういった自然の土の養分があれば、作物は健康に育つはずです」と一男さん。

 農薬はもちろん化学肥料も除草剤も一切使わず、土手の雑草を主体に発酵させた植物性の自家製堆肥のみで栽培しています。失敗の中で積み重ねてきた経験から、虫がつく時期を外して苗を植えることを学び、それぞれの畑の土壌に合った作物を季節ごとに連作している。どの畑でも連作障害は起きていないといいます。それはスゴイことだ。

 須賀さん親子が大切にしているのは、四季折々の新鮮な野菜を消費者に届けることで、畑では30~40品種の野菜を栽培。多品種を栽培することで、どの季節にも旬の野菜を届けることができるのです。

 「農食連携」「農医連携」も実践している。「自然界の恵みを得て、その時期に育つべくして育った旬の野菜は生命力に溢れています。安全で安心して食べられる野菜作りを通して、みなさんの健康維持に貢献したい」という須賀さん親子。
 食の安全が揺らぎっぱなしの日本で、安心して食べられる「旬」の食材は貴重だよね。

 周年野菜を安定供給できるという完全人工光型の植物工場も取材したけれど、作られているものはレタス類など葉物野菜数種だけだし、たとえ安全でも別に一年中同じ野菜がなくてもいいと思っているので、ピンとこなかったな。

    
     完全閉鎖の室内で蛍光灯で育てる、ある植物工場
                   (写真は沢海厚さん撮影)

 ちなみに須賀さんの野菜料理は『キリンシティー』で食べられるというので、農水省での会議のあと、編集者ゆうさんと2人で銀座の『キリンシティー』に寄ってみました。京菜の蒸し煮を肴にビールをグビリ。美味しかった!


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