「プライド」とは、辞書を引くと、誇りや自尊心、自負心を意味する言葉で、良い意味で使われるのが一般的であるが、好ましいとはいえないプライドを持っている人も意外に多い。肩書に頼って生きている人にも言えることで、肩書を失えばただの人になってしまうのを見ると残念に思う。
例えば、サラリーマン社会では、係長⇒課長⇒部長等の順で権限(責任)を持つようになり、それに伴う指示・命令系統で組織が成立している。しかし、サラリーマン社会から脱した時、肩書を失って虚脱感を感ずる人が多い。組織の役割分担上で権限は必要なことであるが、人生を豊かにするためには、自利利他等の自覚も必要であろう。
昨年の「かみしほろ塾」では、元東大総長 小宮山宏氏の「誰もが輝くプラチナ社会」〜地方が日本を救う〜という講座を聴講してきた。人間は死ぬ直前まで輝いて生きることが大切で、互譲の精神や共生社会づくりの重要さを学んだ。
先日、「生きる意味の探し方」〜大人や子供が輝いて生きるために〜という講演を聞いてきた。講師は、東工大教授の「上田紀行氏」で、上田氏は若い時に様々な挫折を経験しており、人間は挫折して初めて、生きる意味が分かってくるらしい。
上田氏は、日本・アメリカ・中国・韓国の子供たちのアンケート結果について、スライドを使って説明してくれた。日本の子供たちは、他人と比べて人間の優劣を考えることが4カ国中で断トツに多かった。日本の子供たちは、周りの評価やテストの点数を気にしすぎるらしい。
そして講師は、“子供は親の背中を見て育つ”ように、そのような子供を作った親が悪いとも言っていた。
また、「日本の高度経済成長」は、人口増加や朝鮮戦争など様々な要因が重なっただけで、今後はありえないと語っていた。
上田氏は、日本で会社上司にしたい人NO1である「池上彰氏」と同年で、「綾小路きみまろ氏」と同じような服を着ていてダジャレも多く、参加者を魅了していた。
「十勝の活性化を考える会」会員
注) 上田紀行
上田 紀行は、日本の文化人類学者、東京工業大学教授。専門は文化人類学。特に宗教、癒し、社会変革に関する比較価値研究。学位は医学博士。
東京都出身。筑波大学附属駒場高等学校、東京大学教養学部文化人類学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学専攻博士課程単位取得退学。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程修了、博士(医学)取得。
1993年から1996年まで、愛媛大学助教授。1996年4月より東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻准教授、2012年2月に東京工業大学リベラルアーツセンター教授となる。同大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授を兼任。この間、国際日本文化研究センター助教授(1994~1997年)、東京大学助教授(2003~2005年)を併任。
2005年に渡米し、スタンフォード大学仏教学研究所フェローとして「今の仏教は現代的問いに答え得るか」と題した全20回の講義を行う。
日本仏教の再活性化運動にも携わり、若手僧侶の会合「ボーズ・ビー・アンビシャス!!」のアドバイザーでもある。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)