十勝の活性化を考える会

     
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“つながり”

2020-10-09 04:00:00 | 投稿

 

十勝の面積は東京都の約5倍で、日本の7番目の広さを誇る岐阜県の広さと同じで、人口は約34万人で東京都の26分の1である。

 

人口が少ないので、十勝では人との“つながり”が強く、何かを話しているうちに親や兄弟のことでつながることがある。

 

十勝の開拓は、このような人とのつながりや開拓者精神、共助で行なわれてきたのだろう。だから、地元一丸となって発展しようとする意味を表わす「十勝モンロー主義」という言葉が生まれたのだろう。

 

地元への愛着や結束力の強さから、十勝以外から来た人や企業にとって、起業や商売が難しい地域といてネガティブに解釈されることもあるが・・・。

 

明治30年頃から本格的に十勝の開拓がはじまったが、冨山県人と岐阜県人で入植者が42%を占めている。

 

その理由は両県とも、濃尾地震や土地事情などから十勝への入植に積極的であったこと、また“フードバレーとかち”と言われるように、肥沃な土地のことを既に入植した人々から伝わったのだろう。

 

2011年の東日本大震災後、日本中で「絆」という言葉が飛び交ったが、この人とのつながりがいま、失われようとしている。なぜ、人とのつながりが絶たれようとしているのだろうか。

 

それは、個人意思の尊重、核家族化等々により戦前まであった地縁・血縁を煩わしく思って切り捨ててきた戦後の経緯があるのだろう。最近では、地縁・血縁と無関係に生きる生活スタイルも珍しくないようだ。

 

しかし、その反動として引きこもりで孤立する人や自殺する人が増えているので、“孤立死”や“無縁社会”ということが、事あるごとに取りあげられている。「学校のイジメ」や「登校拒否」なども後を絶たず、共助や共生が問い直されている。

 

東日本大震災後の翌年、津田塾大学教授 萱野稔人氏は、このことに関連して月刊誌「Moku」に、次のようなことを述べている。

日本経済は長期デフレに入っていること

・人口減少などによる消費低迷にあること

・経済成長を前提とした現代社会が問われていること

・豊かさの価値観が、問われていること

・人口減少のフロントランナーとして、今後、その役割を発揮すること

・官民挙げて知恵を結集し、地道な取り組みを行なうこと など

新型コロナ禍で、人とのつながりや価値観が見直されている。なぜなら、人間は繋がることで大きな力を発揮し、コロナ禍及び地球温暖化等の大問題に立ち向かうことが出来るからである。

 

哲学者 西田幾多郎氏は、人間の価値観について次のようにも述べている。

『価値とは、如何にして存在するかではなく、何のために存在するかが価値である。』というのである。

 

西田における価値とは、真理(善)へと通じる道で、“知識”と“実践”が伴わなければならないと述べている。

 

今のような緊急事態の時には一致団結しなければならず、日本はいま、世界からその力量が注目されていると思う。

「十勝の活性化を考える会」会長

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