“プライド”とは、辞書を引くと、誇りや自尊心、自負心を意味する言葉で、良い意味で使われるのが一般的であるが、好ましいとはいえないプライドを持っている人も意外に多い。
肩書に頼って生きている人にも言えることで、肩書を失えばただの人になってしまうのをたくさん見てきたが、大変に残念に思う。
先日、「生きる意味の探し方」〜大人や子供が輝いて生きるために〜という講演を聞いてきた。講師は、東工大教授の「上田紀行氏」で、同氏は若い時に様々な挫折を経験しており、人間は挫折して初めて、生きる意味が分かってくると語っていた。
また、私の知人で脳出血を罹患し一旦、挫折した人がいる。しかし、脳出血を罹患したことで、一人では生きられないことを悟り、第二の人生をスタートしている。 彼は有名大学を出たにもかかわらず、人間は自分らしく謙虚に尊厳を持って生きることが大切だという。
尊厳とは、尊くおごそかのことをいい、 “人間の尊厳を尊重する”ということは、人間として存在していることを、かけがえのない価値として大切にすること意味している。
プライドとは、自分らしく尊厳を持って生きることだと思う。肩書などを失うとタダの人になってしまうプライドとは、真のプライドではない。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 上田紀行
上田 紀行は、日本の文化人類学者、東京工業大学教授。専門は文化人類学。特に宗教、癒し、社会変革に関する比較価値研究。学位は医学博士。
東京都出身、東京大学教養学部文化人類学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学専攻博士課程単位取得退学。
1993年から1996年まで、愛媛大学助教授。1996年4月より東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻准教授、2012年2月に東京工業大学リベラルアーツセンター教授となる。同大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授を兼任。この間、国際日本文化研究センター助教授(1994~1997年)、東京大学助教授(2003~2005年)を併任。
母は翻訳家の上田公子。妻はアナウンサーの武内陶子。春風亭小朝は従兄弟。
[著書]
- 『宗教クライシス』(岩波書店、1995年)
- 『癒しの時代をひらく』(法蔵館、1997年)
- 『日本型システムの終焉―自分自身を生きるために』(法蔵館、1998年)
- 『がんばれ仏教!』(NHK出版、2004年)
- 『生きる意味』(岩波書店、2005年)
- 『「生きる力」としての仏教』(PHP新書、2006年)
- 『かけがえのない人間』(講談社現代新書、2008年)
- 『「肩の荷」をおろして生きる』(PHP新書、2010年)
- 『慈悲の怒り―震災後を生きる心のマネジメント―』(朝日新聞出版、2011年)
- 『生きる覚悟』(角川SSC新書、2011年)
- 『人生の<逃げ場> 会社だけの生活に行き詰まっている人へ』(朝日新書、2015年)
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋』)