先日、島根県宍道湖におけるワカサギやウナギが激減していることをテレビで報じていた。その原因を探ると、ネオニコチノイドという除草剤の散布が宍道湖の動物プランクトンを殺して繁殖できなくしているらしいのである。散布を始めたのは1993年からで、その年から急減しているのである。
1993年5月、島根県の宍道湖付近の稲作農家がイミダクロプリドという殺虫剤を使いはじめた。 同じ年、甲殻類や動物プランクトンなど、食物網の土台となる節足動物が減りはじめた。 科学者たちは、これは日本だけの現象ではなく、ネオニコチノイドが世界の水界生態系に及ぼす深刻な被害の1例にすぎないと見ている。
宍道湖では、ネオニコチノイドの使用が始まる10年以上前の1980年代初頭から、漁場の調査が継続的に行われていたそうで、このようなデータは非常に珍しいそうだ。人間は、米をたくさん収穫できるように除草剤を使った。それが、ワカサギやウナギの激減となって表れたのである。神通川の下流域である発生したイタイイタイ病と同じであるかも知れない。
早く使用を中止することは、被害者を少なくする。“疑わしきは罰せず”と同じである。十勝は日本の食料基地であり、収穫を増やすために除草剤をたくさん使用している。中国産の野菜は安いが、日本産の野菜を買う人が多いらしいが、その理由が中国では農薬を多く使用するためでないことを祈っている。
「十勝の活性化を考える会」会員