十勝の活性化を考える会

     
 勉強会や講演会を開催し十勝の歴史及び現状などを学ぶことを通じて十勝の課題とその解決策を議論しましょう

北海道十勝の深掘り 知里幸恵の生涯映画化

2021-12-15 05:00:00 | 投稿

北海道十勝の深掘り 知里幸恵の生涯映画化

全国の読者の皆様に、「北海道十勝ってどんなところ?」の疑問に深掘りしてお伝えしてまいります。


 

知里幸恵の生涯映画化

北海道新聞 2021年12月11日
札幌出身 菅原監督「アイヌ民族の思い伝えたい」


 【東川】明治、大正期のアイタ文化伝承者、知里幸恵(1903~22年)の生涯を題材にした映画「カムイのなげき(仮)」が製作される。上川管内東川町が企画し、札幌市出身の映画監督菅原浩志さん(66)が町から委託を受けてメガホンを取る。アイヌ民族が「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」とあがめる大雪山系の旭岳などでロケを行い、2023年秋の公開を目指す。  (和泉優大)

 知里は現在の登別市に生まれ、旭川市で育った。「アイヌ神謡集」の著者として知られ、アイヌ民族の口承文芸「カムイユカラ」(神謡)をローマ字で記述し、日本語に翻訳。アイヌ文化の伝承に大きな役割を果たした。映画は知里をモデルに、差別を受けて生きるアイヌ民族の少女が、言語学の第一人者に見いだされ、「カムイユカラ」の日本語訳に力を注ぐ姿を描く。
 監督・脚本を務める菅原さんは、女優宮沢りえさんが主演した映画「ぼくらの七日間戦争」などの作品で知られる。昨年、東川町の依頼を受け、アイヌ民族が旭岳で行う山開きの儀式 「ヌプリコロカムイノミ」の映像作品を1年かけて製作した。
 その縁で、アイヌ民族の歴史や生き方を映像化することを検討していた菅原さんと、アイヌ文化の振興や共生社会の実現を東川町の理念に掲げていた松岡市郎町長が意気投合。2022年に没後100年となる知里の生涯を取り上げる映画を製作することにした。
 菅原さんは現在、東川町を拠点に脚本と撮影の準備を進めており、文献調査やアイヌ民族への取材を重ねている。撮影は来年7月に始め、登別市や札幌市でも行う。製作費2億5千万円を集めることを目標に、東川町がふるさと納税で寄付を募る。金額に応じてエンドロールに名前を載せるなどの返礼を用意する。
 胆振管内白老町の国立アイヌ民族博物館によると、知里を題材にした映画は珍しいという。菅原さんは「アイヌ民族の真の思いや生の声を残し、差別を無くすため、共生社会に向けたメッセージを若い人に伝えたい」と話した。

 

 

「十勝の活性化を考える会」会員募集