人類は有史以来、領土や宗教などで他の民族との戦いは絶えなかったが、ウクライナ戦争はいつになったら終わるのだろう。根拠はないが、今回の戦争によりロシアは崩壊し、新しい国際安全環境が生まれると思っている。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)の人口は約300万人。東ヨーロッパ有数の大都市で芸術の都としても有名であったが、現在はロシア軍の侵攻で見る影もない。世界には多くの戦争があり様々な困難や問題があるが、アイヌ民族の歴史にも同じことが言えるのではないだろうか。
先日、アイヌ民族に詳しい作家と話す機会があった。彼は、ウポポイにいってみて、アイヌ民族の歴史があまり紹介されていないことに気付いたという。確かに、我々はウクライナの歴史と同じように、アイヌ民族の歴史に関して知らないことが多いのではないだろうか。民族の歴史をひも解くことによって、真相が明らかになってくるのである。
ところで、ロシアが行なったウクライナ侵攻ということが、途方もない失敗だったという点で、専門家の見方は一致しつつある。第1に、ロシアはウクライナがすぐに降参するものと思い込んでいた。第2に、ゼレンスキー大統領を中心に、ウクライナがこれほど有効なメディア戦略を展開することも予想できておらず、ウクライナ人が発する言葉や戦いぶりは、世界の人々の共感を集めている。第3に、ロシアは西側諸国の結束を過小評価していた。西側諸国は、ウクライナを支援したり、ロシアに厳しい制裁を科したりすることはないと踏んでいたのだ。
これらの誤算が積み重なった結果、ロシアが軍事的勝利を手にするために、途方もない犠牲を払うことは、もはや不可避である。ロシア兵の命とロシア経済に甚大な犠牲が生じるだけでなく、ウクライナのおびただしい数の市民の命も失われることが避けられず、シリア紛争やチェチェン紛争のような血みどろの戦いになりつつあるように見える。今回の戦争により、世界経済の落込みが大きい。この代償は、一体だれが払うのであろうか。人間の愚かさを思わずにはいられない。
「十勝の活性化を考える会」会員