VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

現代と「方丈記」⑪

2013-04-17 11:46:20 | 方丈記

災害の記述のあとは 長明自身の人生の来し方をのべている。


 相続がうまくいかなくて 祖母の家を出たこと。

今まで暮らしていた家の十分の一ほどの小家を造り

 移り住んだ事。

暮らしにくい世の中で、我慢を重ね、悩みながら

 いくつもの挫折を味わって生きてきた。

その中で、自分のつたない運命を思い知らされた事。


 五十歳で出家するが、自身では、悟りを得ることもなく

たんに歳月を重ねただけ  と 振り返る。


 そして、六十歳を目前にして、心機一転

さらに今までの家よりちいさな家(方丈庵)を造って

 移り住む。


豊かな自然を愛し、十歳くらいの子供と友人になって

 自由を楽しむさまが書かれている。


虚勢をはるような生き方とは無縁の庵暮らし。


 「良い所探し」が上手にできるようになり

世間のわずらわしさからはなれ 楽しむ様子も書かれている。


 「無常」を真に理解すれば、見栄をはったり、

相手の思惑を気にしたりすることもなくなる・


 でも、人間って やはりなかなかそうはいかない

「あのブドウは酸っぱい」式のあきらめを

 どう上手に自分にとりいれ、自分を説得するのか


娑婆世界とは よくいったものだと思う。



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