「すべて、世の中のありにくく、わが身と栖(すみか)との
はかなく、あだなるさま、また かくのごとし。いはんや
所により、身のほどにしたがひつつ、心を悩ますことは
あげてかぞふべからず」
ーーーだいたい、この世を生きていく事じたい、なかなか大変なこと。
人の身も住居もはかなく頼りにくいことは、これまで述べてきた災害の
例からもわかることだ。
ましてや、住む環境や身分、立場に応じてうまれてくうる苦労の種は
いちいち数えあげたらきりがないほどだ。---
この後、長明は京の町の市民生活を観察し、住環境に支配される
人々を細かく描写している。
結論として、彼らは、隣人との身分差などのストレスに振り回され、
心安まらぬ日々を過ごしている。 いったいどんな環境を選んだら
どんな仕事を選んだら ストレスから逃れられるのか?
いや、そんな土地や仕事を見つけるのは到底無理だろう。と結ぶ。
なんとまあ、時代が変わろうとも
人の世というのは こういうものなんでしょうね・・・
これが、800年前の書物・・・
という事は・・・「汝、こころして生きよ」といったところですかね・・