そのひとは「私、バツイチやったもん」とひょいと言った。
(ふむ、今までそんなことは一言も言わなかったぞ)
「亭主もバツイチやもん、60歳で今年定年」
(ふむ、それも今まで一言も言わなかったぞ)
結婚して13年、子供はいないとは言っていた。
なるほど60歳と48歳の夫婦か。
バツイチ同士で47歳と35歳で再婚したわけだ、と頭の中で計算する。
年金の話からそんな話に発展した。
前の亭主はどうしてるの、とやんわり聞くと、お金の管理が出来んひとやった、とか。
「今どうしてるか何の興味もないわ」
「道に倒れとっても他人なら助けるけど、あいつやったら見捨てるわ」
という。
「今の亭主とはどうして知り合った?」
「ふふっ、飲み屋で隣り合わせたのがそもそもやね」
「この世の中、何の能力もない女一人生きていくのは大変やしね」
「セックス?、もう何年もしてないわ」
「定年でもまだずっと働いてもらうよ、毎日家におったらうっとうしいしね」
少しずつその人の過去の人生が分かってくる。
逆にその人も私が滅多に人には言わない過去なんかもかなりインプットされて記憶しているかもね。
あんまり深みにはまらん様にしよう。
(ふむ、今までそんなことは一言も言わなかったぞ)
「亭主もバツイチやもん、60歳で今年定年」
(ふむ、それも今まで一言も言わなかったぞ)
結婚して13年、子供はいないとは言っていた。
なるほど60歳と48歳の夫婦か。
バツイチ同士で47歳と35歳で再婚したわけだ、と頭の中で計算する。
年金の話からそんな話に発展した。
前の亭主はどうしてるの、とやんわり聞くと、お金の管理が出来んひとやった、とか。
「今どうしてるか何の興味もないわ」
「道に倒れとっても他人なら助けるけど、あいつやったら見捨てるわ」
という。
「今の亭主とはどうして知り合った?」
「ふふっ、飲み屋で隣り合わせたのがそもそもやね」
「この世の中、何の能力もない女一人生きていくのは大変やしね」
「セックス?、もう何年もしてないわ」
「定年でもまだずっと働いてもらうよ、毎日家におったらうっとうしいしね」
少しずつその人の過去の人生が分かってくる。
逆にその人も私が滅多に人には言わない過去なんかもかなりインプットされて記憶しているかもね。
あんまり深みにはまらん様にしよう。