宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

拝啓(お盆を前にお手紙をさし上げます)

2011年08月12日 | 津波直面体験


 皆様にはいかがお過ごしでしょうか? 

 時節柄いっそう健康第一のほど、まずもってお願い申し上げます。
 手紙で失礼いたしますが、ご存知のように□□□屋(屋号)は津波に流され、今年は例年のお盆行事ができなくなりました。とり急ぎ、その事だけでも皆様にお伝えしたいと考えて、ここに折れくぎのようなお手紙を差し上げる次第です。よろしくお汲みとり下さい。

 大津波 春の大惨事からはや五ヵ月近くになり、テレビや電話にかじりついていた当時の緊張の記憶がすでに薄れてきております。ニュースなどでは復興の兆しも伝えられておりますが、どうでしょうか、被災された方々にとってはそれほど変わっていないというのが正直な気持ちではないでしょうか。ある程度時間をかけながらゆっくりと進むことになると思います。気を利かして得るものがあっても、瓦礫の一片にすぎないと思います。有史以来の大津波ということでした。回復にも時間がかかると思います。かけるだけ時間をかけて、自分を取り戻していってほしいものだと願っております。
 
 お 盆 今年は残念なお盆になります。これまでの毎年のご参拝やご焼香には、あらためまして深く感謝申し上げる次第です。お盆に皆様とお会いするのが大きな楽しみでもありましたが、それもかなわなくなりました。私もお飾りや松明かしを懐かしみ今年の夏はこちらですごす所存です。皆様におかれましても、それぞれのお盆の場所から蛸の浜の方角をお念じ下さい。◯◯の墓所は無事でありました。心公院は、波が蛸の浜の坂を越えたものの直接の被害はないようです。そのため◯◯家の位牌も無事で、お寺のいつもの場所に鎮座しております。
 ちなみに、家庭仏壇用の位牌については、新しいものを購入、いま心公院の和尚さんに過去帳を写していただいております。秋になってからこちらの自宅の仏壇に移すことにいたしました。ご旅行のついでにはお立ち寄りください。

 鍬ヶ崎 私どもの津波の知識はそれこそ先祖の方々からの口伝えで、小さい頃から、想像を大きくふくらませては、恐怖にちぢこまり、諭されては心に深くうなづいてきたように思います。習い性で、立ち位置からの逃げ場所をいつもおし測って育ってきたように思います。お盆と同じで津波の覚悟は鍬ヶ崎とともにありました。しかし、今回の津波の現実は想像力や覚悟をはるかに超えました。私自身は語るにふさわしくありませんが、居合わせた人々はいかばかりだった事でしょうか? 古色蒼然とした鍬ヶ崎の町並みはひとたまりもありませんでした。鍬ヶ崎が無くなったという言葉がぴったりです。今は、いちめんのやけのはら状態です。

 いつの日になるか、復興を祈らずにはおられません。

   平成二十三年八月 

                              ◯ ◯  △ △  拝
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2 コメント

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許しがたい人 (徘徊老人)
2011-08-18 01:38:31
北大に、日本原子力学会に所属する一人の原発推進派の旗手、許し難いご用学者がいます。この間テレビなどに出演し原発の今だ優位性を語り続けます。



福島第一発電所・原子力全般の復興に向けた緊急提言
平成23年3月28日
日本原子力学会シニアネットワーク
復興チーム F 代表 奈良林 直
(北海道大学大学院教授)
今般の福島原発事故は、複数プラントでの過酷事象が同時進行するという想
定をはるかに超えた未曾有の事故であり、この状況はマスメディアで逐一報道
され多くの国民は原子力事故の凄まじさと放射能汚染の恐怖を身をもって味わうこととなりました。
この結果、多くの国民には原発に対する拒絶反応が一気に醸成され、このまま放置すれば日本の原子力プログラムは深刻な停滞/後退を余儀なくされる状況に追い込まれるものと危惧しております。
このような状況に鑑み、日本原子力学会シニアネットワーク(SNW)は、構成メンバーの有する原子力分野での経験と見識を活用し福島原発並びに原子力全般の復興に向けた支援活動を展開するべく「福島第1緊急対策“復興チーム F”」を立ち上げました。
私達は、福島第1原子力発電所の設計・建設・運転および規制等に関する経験と知識を有するシニア専門家集団です。以下の提言をまとめました。緊急目
標【1】は特に専門家集団が一生懸命に知識と知恵を絞って検討したものです。
短期・長期目標【2】~【5】はこれまでの経験から考えつくものを列挙した
ものです。対策本部を始め関係の皆様の今後の復興策定のご参考にしていただ
ければ幸甚です(以下続きます)

ここには、この事故で想定される放射性物質の汚染に関する記述や、国民を放射能から守る視点が全く欠落しているのです。

今日本はこの福島原発事故が引き起こした放射能で空気、水も大地も、野山も全てが汚染され
今も汚され続けています。

この3月29日の緊急提言は誰の為に出されたのかこの学者の良心を問わずにいられません。

この様なエセ学者の責任を徹底的に問い犯罪者として牢獄に繋ぎたいと思います。
返信する
奈良林直北大教授(原子炉工学) (コーケやん)
2011-08-23 22:59:10
 たまたま日経新聞の北電泊原発3号基の営業運転再開のインタビュー記事を読んだ。

 「5カ月以上フル出力で調整運転を続けた3号基は安定運転できており問題はない」そうなの?と教授に言いたい。◯カ月以上調整運転すればOKなの? 根拠の不明な結果論に終始した教授の独演記事であった。

 「(福島)1号機の非常用復水器はうごいたにもかかわらず、運転員があわててとめてしまった」「初期段階の冷却がうまくいけば、被害はここまで拡大しなかった」等等、結果論のオンパレードであった。ほか泊原発の根拠のない楽観的見込みの数々…

 極めつけは「泊原発の安全性…」「福島第1原発事故の原因や経過を政府のだれも分かり易く説明していない」と二度ほど責任転嫁の発言。政府でなく、貴方に今それを取材しているのだ!自分のアタマで答えるよう努力してもらわねば困る!

 思うに、この先生は科学者としての論理性、倫理性に欠けるのではなかろうか。それ以前に、この方は若い頃友人たちと何でもいいから熱い議論や悪いけんかをしたことがあるのであろうか?と思った。それこそ優等生的学問と「原発=安全」の初期すり込みをこえることなく(学問的渡り?)そのまま大きくなったように思えたのである。

 日経新聞も程度が低すぎる。このようなずさんな取材網しかないとは、マスコミ(日経)即原発ムラ構成員、とそしられてもしかたがないのではないか?!しっかりしてほしいものだ。
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