湯西川日記

fbやツイッターで一年サボりましたが、やっぱりブログです。2016年から復活します。ツイッターの長い版みたいな感じです。

派遣村もさることながら。

2009-01-07 21:59:04 | 学習

派遣切りで住まうところもない人々の報道や、新宿駅のホームレスの人々を目にすると、あらためてわが国の社会保障制度のいい加減さ、水準の低さを考えてしまう。年金問題にしてもその根源は同じである。

自己責任やら自立やら市場原理主義やら成果主義やら勇ましい言葉はともかく、マクロ経済には自然失業というものが厳然と存在している。働く場所も住む場所もない人が路頭に迷うような社会がいったい望ましい社会といえるだろうか。いえるはずがない。

昨年来の金融不況は社会構造の変革がない限りこれを乗り越えることができない。従来型の財政拡大政策や金融政策の限界を突きつけられているといってもよい。逆にいえば既存のモデルを破壊し新しい経済構造を構築する契機であるともいえる。そういった時代に一歩間違えば家族離散やホームレスになるような社会で、はたしてだれが新しいビジネスに挑戦しようとするだろうか。

最低限のセーフティネットはやはり必要である。これがないとチャレンジ精神は損なわれ社会の活気はなくなる。減点主義の老舗大企業で長く勤めていると次第に社員が均一化され気力もやる気もなくなって衰退してゆくのと同じである。

これからは敗者が何度でも復活可能な社会でないと絶対に経済は成長しない。派遣切りで住む場所のない人には、住人を追い出して都心の公務員官舎を開放してでも当面心配なく安価で住める場所を提供する。あるいは手に職のない人には、生徒の少なくなった工業高校や商業高校を生かして技術を習得する場を与える。そうした政策が正しく必要である。