どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

ポケットに競馬。

2007-02-11 | 地方競馬への考え

ここ数年来、相変わらず苦しい状況が続く地方競馬ですが、その打開策として各団体、各方面から数々の新しい試みがようやく始まってきました。
NARに代わる新しい組織の構築、また競馬場同士の交流や開催方法の工夫、馬券購入システムの充実や、なにより熱意を持ったファンに促されてか各種参加型イベントもようやく各地で企画されるようにもなってきました。

それがはたして本当に地方競馬にとって有意なものなのか、はたまた再生に効果はあるのかはわかりませんが、少なくともなにかしらのアクションが見られるようになってきたということは、少なからず”共倒れ→全滅”の危機感がようやく多くの主催者側にも現実味を帯びて感じられるようになってきたということでしょうか。

ひとつの地方競馬場の廃止は、馬、人材の損失という点においてやがてその周辺の競馬場にも少なからず影響することでしょう。
そしてそれは競馬社会の縮小を意味し、全国各地の多くの競馬ファンを喪失することになるに違いありません。
そして必要となる馬の需要の低下は、ついには競馬を根底で支える生産界への衰退をも意味します。
生産界の衰退は、やがては日本の競馬を根底から揺るがすような事態になるでしょう。
それはまるで根っこを待たない大木のようなものです。
根っこのないうわべだけの輝きは、まるで輸入貿易に頼りきった現代の日本という国において、自身の歴史や文化に誇りを失った脆弱な心の日本人を象徴しているかのようです。
そんな事態を避けるためにも、これ以上ひとつたりとも競馬場をなくしてはならないという強い意志と情熱を持った試みが、今以上に必要であるのかも知れません。



JRAもかつては今以上に苦しんだ時期がありました。
競馬場はいつも閑古鳥。。。そんな時代もあったように記憶しています。
そんな中からJRAは、週末開催という最大のメリットを生かして、ギャンブルマニアだけの暗いイメージのあった競馬場から、明るい雰囲気で誰にでも気軽に楽しめるような週末のレジャー層の獲得に成功したと言えるでしょう。
いまやJRAの競馬場はギャンブル狂のオヤジ連中だけの存在ではなく、週末に家族で楽しめる娯楽のひとつとして確固たる地位を確立しているようにも思われます。


週末レジャー層の新たな獲得。。。
それは地方競馬の再生へ目指す方向性のひとつだと言っても、間違いではないでしょう。
しかしながら、それでははたして、それが同じように地方競馬の戦略として通用するのでしょうか?
・・・・・それは全くもって無理な話のような気がします。

これだけ中央と地方の人気に差が出てしまっている現在では、同じ週末開催を行なってレジャー層の獲得を狙ったとしても、地方競馬がJRAに競合できるような状況ではありません。
交流交流とさかんに叫ばれてはいますが、しょせんは全くの別の組織。
そこにはやはり限られた需要における競争が存在します。
資金力、規模、認知度においても大きな差があり、競合しては絶対に勝てません。

まだ地方競馬団体に少しでも資金的な体力が残っているならば、JRAの行なっていない”ナイター開催”を行なうなど、少しでも未開の部分に活路を見出して、レジャー層の獲得に全力を傾けることができるのかも知れませんが、しかし残念ながら、そういった試みのできる余裕のある状況の地方競馬団体など、もはや皆無に近いものがあるでしょう。
ひとつの方法であることには間違いないでしょうが。。。。。



そう考えれば、地方競馬はやはり平日の昼開催でいかにタイムリーな戦略を打ち出せるか!という部分に力を注ぐしかないのかも知れません。
それでは平日の昼開催で、馬券を購入するファン層とは一体誰なのでしょうか?
その地方競馬が開催されている時間帯に、馬券を購入できるファンとは一体どんなファンなのでしょうか?

私が無い頭でじっくり考えても、せいぜい”定年を迎えた年輩層”とか”パチンコ屋に入り浸っている主婦”くらいしか思い浮かびません。
そんな方々にさえもタイムリーな戦略が行なわれているのかどうかは疑問ではありますが、たとえ行なわれているとしても、それではこれまでの状況と何ら変わりはありません。

それならば、逆の発想で、(平日の昼開催の時間に)これまで購入することが不可能であった隠れたファン層(買いたくても買えなかったファン)にアピールすることを考えるべきでしょう。
興味を持ってもらう。。。まずはそこからなのでしょうが、具体的にそういった隠れたファン層の開拓への戦略を考えた時、電話投票やネット投票はその一番の武器になることは間違いありません。



しかしながら、なぜか電話投票やネット投票が始まったのと時を同じくして地方競馬の赤字幅が大幅に増大したような。。。。。もしかしたら新しいファンの獲得や売上げの拡大を狙ったシステムの導入が、逆に地方競馬の台所事情を苦しくしている???なんて疑問も無知な私には湧いてきますが、どちらにせよ旧態依然では”内田博幸の単勝馬券をただやみくもに買い続けるようなもの”であり、大きくは失敗しないでしょうが赤字体質が改善がされるような有効性は薄いままであったでしょう。
とにもかくにも今では、新しい競馬需要の拡大のために在宅購入のできるシステムは大きな売上げ拡大の可能性を示すものとして考えられています。


でもよくよく考えれば、平日の真っ昼間に競馬場に来れないような人間が、はたしてその時間に自宅でパソコンの前に座っていられるものなのでしょうかね?
ネット投票は、物理的、経済的に競馬場が遠くて買いたくても買いに来れないファンには有効なシステムでしょうが、(実際には一番多いと考えられる)仕事などで時間的に拘束されていて買えないファンには有効ではないということです。
実際私がそうなのですが、私の場合はネット投票もできる環境にありますが、ネット投票する時間があるくらいでしたら、まず名古屋開催なら競馬場に行きますね。
ネット投票するのは南関東などの遠方の競馬場のレースだけです。
それもよほどの交流重賞くらいでしょう。



思うに、私がこれから地方競馬が馬券を買ってもらうのに最大に有効なのは”携帯電話でのネット投票”だと考えます。
電話投票は購入が面倒ですし、逆にネット投票は自宅にいなければ購入できません。
携帯電話の進歩には目覚ましいものがあります。
今のままでもいいですが、できればもっと簡単に情報や予想が検索できたり、ライヴでレースが見れたりするようなシステムだってきっとできるはずです。
これまでのいかにもパソコン向けの投票システムなどは継続するとしても、一番力を入れるべきところとしては絶対に”携帯向け”の投票システムの開発でしょう。

コンセプトは、
いつでも、どこでも、簡単に。

それが、JRAとの差別していくポイントだと考えます。
JRAの競馬が週末の家族揃っての”レジャー(行楽)”とするならば、地方競馬はその全く正反対のコンセプトでイメージ戦略するのです。
仕事の休憩時間に、家事洗濯の合間に、旅先で、デート中に、おしゃれでスマートに”博打”をするという新しいスタイルをファンに提供するのです。
CMでキムタクなんか使ってやれば、もう効果抜群!(笑)

いつでもどこでも、、、
あなたのそばに競馬があります。。。


なんてセリフを会議中の設定のCMでキムタクに一言言わせちゃえば。。。(爆)


まあそれは冗談だとしても、①平日の、②昼開催で、という条件で、③一番ボリューム層のファンに、④馬券を買ってもらう、・・・・・ということを考えたら、やれるべきことは限られくくるような気がするのです。


ファンに合わせた戦略をとることも確かに重要でこれまでのように進めていかなければならないことだとは思いますが、こちらから新しい競馬のスタイルを提供する事だってできると思うのです。
もちろん、地方競馬の強みを十分に生かした中で、ということを考えたらこれしかないでしょう。
なんてったって、毎日毎日休むことなく、地方競馬は日本のどこかで必ず開催しているのですから。
それは地方競馬にあって、JRAには決してできないことです。




これからは、
”ポケットに競馬”
地方競馬をよろしく。
スマートに競馬をやろう。



でも、イメージ戦略が大変だな。。。こりゃ。(笑)



それでは、また。





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