女子プロゴルフ、サイバーエージェントレディス。
さくらちゃん勝ったね。
約2年ぶりだとか。
先週の中継で見たラウンド後のインタビューも、ただ佐伯三貴プロが抜群に良かったというだけで、横峯さくらプロも決して悪くはなかった。
あれを見ていた人なら、近いうちに勝つだろうと誰もが思ったはずだ。
認知度抜群の選手は、特に横峯クラスともなると、勝っても負けても常にメディアに晒され続けるという宿命がある。
良いときは祭り上げられ、悪いときはあることないこと引っ張り出される。
そういう点を考えれば、約2年も勝っていないという彼女のプレッシャーは想像に難くない。
周囲の期待も過剰になりがちである。
ただそんな中、今シーズンの彼女は、去年まであまり見せたことのないラウンド中の柔らかい表情が目立った。
笑顔?
横峯さくらは“もう終わった”か、それとも“何かひとつ乗り越えた”のか。
わずか数年で通算20勝も挙げようかというある種キャラクターの出来上がった選手だけに、その点、非常に興味があった。
そして、目にした先週のインタビュー。
彼女は、何か精神的に乗り越えたのだと理解した。
人間だもの。
ゴルファーとて、ゴルフだけが全てではない。
もうすでに一流であることの厳しさと苦しみを経験し、自分の地位を確立した選手だからこそ、その笑顔には価値があるように思う。
いつだったか、自分はニコニコプレイヤーがあまり好きにはなれないと述べたことがあるが、彼女の場合にはどうやら当てはまらないようである。
それは、あの柔らかな表情の裏に、その何倍もの苦しさを読み取れてしまうからなのかも知れない。
大変だよ。
何やっても、カメラの視線に晒され続けるということは。
あの涙は嘘じゃない。
ふと彼女の真実が表れた瞬間に、何か少しホッとした気分になった。
それにしても今年は、初優勝の若いプレイヤーよりも、ケガを乗り越えた佐伯三貴プロや今回の横峯さくらプロのように経験のあるプレイヤーの涙が目立つ年のようだ。
若い選手は泣いてなんかいられない。
まだ次がある、上を目指す、という貪欲さの表れだろうか。
頼もしい限りである。